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コーヒーの品質を決定づける要因(2) ピッキング


20150711選別作業

先日の続きです。

収穫されたコーヒーは、生産処理を経て、コーヒー生豆となり世界各国に輸出されていくのですが、
その生産処理の方法は、地域あるいは農園によって異なります。

生産処理の方法は大別すると2種類に分けられます。

・水洗式(ウォッシュド)製法
・非水洗式(ナチュラル)製法

生産処理の方法によって、コーヒーをどのような風味に仕上がるかが決まります。
生産処理の違いで品質に影響することはありません。
もちろん、せっかくの豆を乱暴に処理したら、品質の悪い豆になってしまいますので、いかにきちんと処理するかが品質には影響してきますが。

生産処理の詳細については、また別の機会に^^

生産処理の良し悪しもコーヒーの品質に影響しますが、それと同様にコーヒーの品質を決定づけるのはピッキング、つまり不良豆の除去です。

どのような豆が、不良としてはじかれるのかというと

・腐敗豆、カビ豆
生産処理の段階で、黒く腐敗してしまった豆、カビが生えてしまった豆。
風味に影響を及ぼすため除去されます。

・虫食い豆
コーヒー豆に穴をあけて、卵を産み付ける昆虫が何種類かいます。
多くの場合、その穴の内部にカビが生えて風味に影響を及ぼすので除去されます。

・割れ豆
生産処理の過程で、(かき混ぜるなどして)圧力がかかった際に割れてしまった豆。
焙煎の際にムラになり、安定した風味を作れなくなるので除去されます。

コモディティー以下の、安い豆においては、ピッキングが行われない場合の方が多いです。
しかし、スペシャルティーコーヒーでは、必ずといってよいほどにピッキング作業がおこなわれます。
国によっては、不良豆の少なさによってコーヒーの格付けを行い、不良が非常に少ない豆は、高いグレードの豆として輸出される場合もあります。

ピッキングはほとんど人手によって行われています。
機械で不良豆を識別する方法も一部の国では導入されていますが、人の方が精度が高いため、機械で大まかに不良を除去して、最終的には人によるハンドピックが行われているようです。

ちなみに、挿絵はニカラグアのコーヒー倉庫でのピッキングの様子です。

コーヒーの風味を阻害するものは極力除去する、この努力によって、より良いコーヒーが出来上がるのです。

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コーヒーの品質を決定づける要因(1) 収穫


コーヒーの実

先日はコーヒーの収穫時期について紹介したので、その続きということで、
今日はコーヒーの収穫方法について紹介したいと思います。

コーヒーは開花から数か月かかって実が成長していきます。
コーヒーは、房のように大量の果実が集結した状態で実をつけるのですが、
一斉に熟すわけではなく、房の中でも早熟な実と、遅く熟す実が存在します。

ですので、コーヒーの実をまとめて収穫する場合は、いつ収穫するかと言うのが結構大事になってきます。
早すぎると、青い実ばかりを収穫することになります。
遅すぎると、早熟の実は熟しすぎて腐ってしまいます。
収穫時期を見極めて、房をしごくようにして一気に収穫し、果実を集めます。

上記の収穫方法は、安いコモディティーコーヒーの場合です。

スペシャルティーコーヒーの場合は、房ごとの収穫を行わずに、完熟した実だけを一粒ずつ摘み取っていきます。
当然ですが、すべて手作業です。
人手もかかりますし、完熟した実を見極める能力が、個々の作業者に要求されます。
一回の収量はコモディティーコーヒーの場合に比べ圧倒的に少なくなります。

しかし、完熟した実から採れるコーヒーは、豊かな風味、甘みが良く乗っていて、渋味やエグ味はほとんどありません。

コモディティーコーヒーは、主に缶コーヒーや、スーパーなどに並んでいる安いレギュラーコーヒーとして流通しています。
スペシャルティーコーヒーは、ほとんどが自家焙煎店を通じて、レギュラーコーヒーとして流通しています。

自家焙煎店のコーヒーは、スーパーなどと比べて値段が高いですが、コーヒー豆の品質には大きな差があります。
高い物には、ちゃんとそれなりの理由があるんですねぇ








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コーヒーの収穫時期


コーヒーは、主に雨季に花を咲かせ、6~8か月かかって実をつけます。
花自体の咲いている期間は短く、数日程度ですが、端から順番に花が咲いていくので開花時期は数か月に及びます。
したがって果実の成熟も端から順番になり、収穫時期はやはり数か月に及びます。

例外的に、エチオピア、イエメンの原種は一斉に開花するので、収穫も一斉に行うようです。

収穫時期は乾季で、日本でいうところの秋冬に相当します。

・北半球の産地(10月~3月頃)…中米、カリブ海、エチオピア、ベトナムなど。
・南半球の産地(4月~9月頃)…ブラジル、ペルーなど
・赤道直下(年に2回)…コロンビア、インドネシア、タンザニア、ケニアなど

赤道直下では2回の収穫時期がありますが、2期作を行っているわけではありません。
地域によって収穫時期にばらつきがあるのです。

北半球にある地域では、10月くらいに、
南半球にある地域では、3月くらいに収穫時期が来ます。
(赤道直下の産地の場合です。他の産地とは収穫時期が違います。)

例えばコロンビアでは、大部分の地域は北半球にあるので、大半は10月から収穫されます。
10月、11月に収穫されるものを「メインクロップ」
南部一部地域の5、6月に収穫されるものを「サブクロップ」
と呼ぶようです。

コーヒーは、収穫されてもすぐに出荷されるわけではありません。
果実から種を取出し(コーヒー豆は、コーヒーの実の、種に当たる部分です)
生産処理と言われる工程を経て、十分に乾燥させ、品質検査をクリアしたものが出荷されます。

したがって、10月に収穫されたコーヒーが届くのは大体翌年初め、
4月に収穫されたコーヒーが届くのは7月くらいになります。

そろそろ新しいコーヒーが日本でも出始める頃です。
楽しみですね。