「 2017年02月 」一覧

コーヒーとチョコレートの相性


バレンタインデーですね!
 
コーヒーとチョコレートは、何故か昔から相性が良いと決まっているような気がします。
 
ですので、相性が良い!
 
・・・
 
これでは何にも話が発展しないので、少し突っ込んでお話ししましょうか。
 
チョコレート、一見どんなコーヒーでも相性がよさそうですが、実はそうでもありません。
 
チョコレートとの相性がイマイチなコーヒーも、実はあります。
 
特に、最近のスペシャルティーコーヒーを浅目に焙煎したものは、単独で飲むと美味しいのですが、ミルクやチョコレートとは合わないものが結構あります。
 
ではどういったコーヒーがチョコレートに合うのでしょうか?
 
それを探るために、簡単な実験をしたいと思います。
 
まず、コーヒーを普通に淹れます。
そのコーヒーを、少し冷まします(別の容器に少し取り分けて冷ましても良いです)。
 
その覚ましたコーヒーを、大きめのティースプーンですくい、勢いよく口で「ズー」っと吸い込みます。
口の中に霧状のコーヒーを吸い込むイメージです。
 
何をしたいのかと言うと、コーヒーの香り、味を細かく探ってみたいのです。
 
このように霧状に吸い込むと、普段は見逃しがちな微妙な風味を探ることが出来ます。
 
この風味の中に、ミルクやチョコレートに似た風味を見つけ出せれば、そのコーヒーはミルクやチョコレートとの相性が良いです。
 
一方で、柑橘系の風味が強いコーヒー(特に浅煎りのコーヒー)は、ミルクやチョコレートに似た風味を見つけられず、相性がイマイチな場合があります。
 
チョコレートと言っても、普通のチョコレートはカカオの含有量は30~40%位で、砂糖と乳脂肪分が成分の大半を占めます。
これだと、チョコレートとの相性と言うよりは乳成分との相性と思った方が正確かもしれません。
 
本当にカカオの含有量が高いチョコレートは、チョコ自体の風味が非常に強くて、普通のコーヒーはチョコに負けてしまいます。
要は相性が悪い。。。
 
このようなカカオ成分の含有率が高いチョコレートに合うコーヒーがあります。
それは「モカ」です。
 
モカコーヒーとは、エチオピア、イエメンが産地のコーヒーを総称して指す言葉で、その昔イエメンにあったコーヒーの集積港である港街「モカ」に由来しています。
 
これらのコーヒー(エチオピア産、イエメン産)はフローラルな風味が特徴で、何故かチョコレートの独特の風味とぶつかることなくお互い風味を補完し合ってくれます。
 
余談ですが、カフェモカ、モカジャバという飲み物がありますが、これはコーヒーとチョコレート、牛乳を混ぜたもので、モカコーヒーがチョコレートのような風味を持っていることから、それに似せて作られたのだそうです。
 
チョコレートとコーヒー、今一度相性を調べて見てはいかがでしょうか?

 



マンデリン・ブルーバタック、アチェ・アルールバダ・・・違いは?


今月のコーヒー豆
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CAFE LUA CHEIAのこだわりのコーヒー
当店自慢の深煎りコーヒー3種。amazon倉庫からの発送ですので、最速で当日、通常配送でも2日以内にお届け可能です。
amazon恐るべしですね~
 
・マンデリン・アチェ・アルールバダ(深煎り)

  
・マンデリン・ブルーバタック(深煎り)

 
・タンザニア・モンデュール(深煎り)

 
 
品切れになるのが早くて、在庫補充がなかなか追いつかなくて申し訳ありません。
今回は「豆のまま」の商品になります。
粉に挽いたものは、今後在庫を補充していきます。

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マンデリンと言うコーヒー

私の取り扱うコーヒーの生産国は多岐にわたりますが、実際に販売のラインナップに選ばれるコーヒーはそんなに多くありません。
 
私のショップの販売規模の問題もあって、自分が美味しいと感じ、かつ特徴的な風味が面白い(そして美味しい)コーヒーを選んでいます。
 
その中でも、マンデリンは原産国インドネシアと言う地域の中から3種類ラインナップされ、現在は2種類のコーヒー豆、マンデリン・ブルーバタック、マンデリン・アチェ・アルールバダが販売されています。
 
同じマンデリンなのだから、同じ味なんじゃないの?
 
そうでもありません。生産地は極めて近くにあり、しかも製法も似通っているにもかかわらず、微妙に風味が異なります。
(基本的にマンデリン独特の風味があるのは同じです)
 
せっかくですので、今回はこの2種類のマンデリンについて、解説したいと思います。

マンデリンの生産国

 
はいっ!地図を載せてみました。マンデリンの産地はマレーシアではありません。インドネシアの「スマトラ島」です。
スマトラ島で生産されるアラビカコーヒーは全て「マンデリン」と言うブランド名で呼ばれます。
 
実は、ここは注意すべき点で、品質や豆の種類は関係なく、スマトラのアラビカコーヒーは全てマンデリンなのです。
 
その中でも特に品質が良く、スペシャルティーコーヒーの名にふさわしい2種を選びました(実際にはもう少し選びたいのですが、自分も混乱しそうなので特に気に入っている2種を選んだというのが実情です)。

マンデリン・アチェ・アルールバダについて

 
マンデリン・アチェ・アルールバダは地図のスマトラ島の北部、アチェ自治区のタケンゴンと言う湖の周辺で生産されています。
この辺りは山岳地帯で、地区の1~2ha程度の小農家がこだわりを持ってコーヒー豆を育てています。

標高、土壌、こだわりによって、フルーツのような柑橘系の酸味、スムースな口当たり、そして独特のエキゾチックアーシーをもたらします(焙煎時は深煎りにしてしまうので、フルーツのような風味は無いのですが、浅煎りに仕上げると本当にフルーツのような風味が現れます)。収穫されたコーヒーは農家が信頼関係によって結ばれたコレクターに渡され、ほかの地域と混ぜないように精選工場へ運ばれます。
 
コーヒー豆の品質も素晴らしいのですが、アルール・バダはその中からさらに完熟豆を比重選別(水に入れて沈んだものだけを選ぶ)、大きさでスクリーニング、そしてハンドピックという工程を経て厳選されたものが出荷されています。
 
濃厚で複雑なフレーバーの中に嫌味は全くなく、スパイシーな独特の風味を持っており、ブルーバタックよりも風味の複雑さの点では上回っている「トップスペシャルティー」コーヒーと評価されています。
 

マンデリン・ブルーバタックについて

一方のマンデリン・ブルーバタックですが、生産地はアチェ地区の南に位置する「リントン地区」で生産されています。
地図上では「トバ湖」という大きな湖の周辺になります。
 
この周辺は、マンデリン生産の中心地で、多くのコーヒー農園でマンデリンの生産が行われています。
 
先ほど、「品質や豆の種類は関係なく、スマトラのアラビカコーヒーは全てマンデリン」と書きましたが、特に近年はマンデリン需要が高まっており、アラビカコーヒーなら何でもかんでもマンデリンになるという事で、コーヒー豆の種類も生産量が多い品種を選ばれるようになってきました。
 
その結果、風味の落ちたマンデリンが世の中には蔓延しています。コモディティークラスの「マンデリンG1」などは、ロブスタとのハイブリッド種である「カティモール種」と言う品種が使われるようになり、「マンデリンが美味しくなくなった」と感じる古くからの愛好家は少なくありません。

また、マンデリンの生産方法である「スマトラ方式」と呼ばれる方法は、豆の品質がばらつきやすく(痛みやすい)ために、マンデリンの中でも品質がばらつく原因となっているのが現状です。
そのような現状から抜け出したコーヒー豆、これが「マンデリン・ブルーバタック」です。

豆の品種は古来からの品種である「ティピカ」、土着品種の「アテン」を主に用い、従来の生産処理方式に改良を加えた独自の方式を取り、その結果として、独特の甘いコク、柑橘系の酸味、シルキーな口当たりなどが絶妙なバランスを保つ最高級品として仕上がりました。
 
マンデリン・ブルーバタックは主にアメリカに出荷されており、「エスニック・アーシー」と呼ばれる独特の風味を持ちます
(この風味はマンデリンに共通しています)。風味の複雑さではマンデリン・アチェ・アルールバダにやや歩がありますが、非常にマンデリンらしい、ある意味「分かりやすい」風味を持ったコーヒーであるとも言えます。
 
マンデリンは焙煎の方法によっては非常に苦みが強く現れたりするものですが、私の焙煎のこだわりとして「深煎りだけど苦くない」コーヒーを作るようにしています。
 
単純に、私が苦いコーヒーが苦手だからなのですが・・・^^;
 
ですので、「苦いコーヒーが好き」と言う方には、この2種類は少し物足りないかもしれません。そういう場合は、濃いめに抽出してもらえれば、どっしりとした深煎りの風味を楽しめるかと思います。
 
マンデリンの中で最も苦いコーヒーは、「トバコ」という名前のものですが、現在ラインナップ準備中で、まだ販売には至っておりません。(申し訳ない・・・)
こちらも、近日中にラインナップに加えたいと思います。
 
ただ、この2種類のマンデリンについては、苦さではなく、マンデリン独特の「エスニックアーシー」という風味はこういう物なのか、という事を確認していただける風味だとおもいますので、是非本当のマンデリンの風味を楽しんでいただければと思います。
 
このマンデリンを味わった後に、他の喫茶店で提供されているマンデリンとも飲み比べてみていただきたいな、と思います。

アチェ・アルールバダ、ブルーバタックを使っていない限り、負けない自信があります。・・^^;
 
今回は、商品ラインナップの「マンデリン・アチェ・アルールバダ」と「マンデリン・ブルーバタック」について解説してみました。
 
是非一度味わってみてください。

それでは!



マンデリン、タンザニア~今すぐ手に入る美味しいコーヒー2017~


現在すぐにお買い求めいただけるコーヒー豆

当店自慢の深煎りコーヒー3種。amazon倉庫からの発送ですので、最速で当日、通常配送でも2日以内にお届け可能です。
amazon恐るべしですね~
 
・マンデリン・アチェ・アルールバダ(深煎り)

  
・マンデリン・ブルーバタック(深煎り)

 
・タンザニア・モンデュール(深煎り)

 
 
品切れになるのが早くて、在庫補充がなかなか追いつかなくて申し訳ありません。
今回は「豆のまま」の商品になります。
粉に挽いたものは、今後在庫を補充していきます。

コーヒー豆はどのくらいの期間美味しく頂けるのか?

 
このテーマはいくら語っても語りつくせるものではない気がします。
議論する際には、売り手側にも2種類のポジショントークが存在していて、非常に分かりにくくなっているのが実情かと思います。
 
つまり
 
「コーヒー豆は長持ちさせたい」
 
というポジションと、
 
「コーヒーを早く消費させたい」
 
というポジションです。

これは、コーヒーのどの風味を以ってコーヒーの寿命をするのかによって意見が異なります。
 
コーヒーに限らず香り成分は、

・揮発しやすい香り「トップノート」

・比較的長持ちする「ミドルノート」

・なかなか消えない香り「ボトムノート」

に分類されます。
コーヒーにも多数の香り成分が含まれていますので、焙煎直後~数日で消えてしまう香り、その後数か月にわたって持続する香りが存在します。
 
サードウェーブコーヒーと呼ばれるコーヒーは、焙煎を浅くして、今までのコーヒーでは焙煎時に揮発して消えてしまっていた香りを残すようにしているものが多いですので、こういったコーヒーは数日以内に消費するのが賢い選択と言えます。
ただし、長期間保存してもまずくなるという意味ではありません。複雑さは失われますが普通に美味しいです。
 
一方で、深煎りのコーヒーは消えない風味が主体になりますので、数か月に亘って保管しても大丈夫かなと。
ただし、焙煎直後の複雑な風味は失われてしまいますので、あくまでも普通に美味しいという意味での大丈夫ということです。
 
あともう一つ、コーヒーの風味が持続する重要な要素に、コーヒー豆自体の品質が大きく作用していると考えられます。

スペシャルティーコーヒーとコモディティーコーヒーを長期保管すると、絶対的にスペシャルティーコーヒーの方が美味しさが残っています。

コモディティーコーヒーは、下手をすると味がスカスカになっている可能性も・・・・

結局のところ、スペシャルティーコーヒーなら数か月後に飲んでも、風味こそ落ちますが普通に美味しく頂けると思いますよ。
 
日本では圧倒的にコモディティーコーヒーが流通していて、スペシャルティーコーヒーは全体の1割程度ですので、全体としてみれば「コーヒーは新鮮なうちに飲むべし」という理屈は正しいといえそうですが。
 
ちなみに、当店CAFE LUA CHEIAはスペシャルティーコーヒーがほとんどです。
現在コモディティーコーヒーのラインナップはなく、品質重視での販売を心がけています。
(将来的にリーズンブルなラインナップを用意する計画はありますが)