「 2017年05月 」一覧

コーヒーの苦味は付与するもの


苦いコーヒー、好きな人も多いと思います。
 
実は、私は苦いコーヒーが苦手です(;^_^A
コーヒーの自家焙煎店やっているのにね。
 
多くの方にご好評いただいている私のコーヒーですが、苦味重視の深煎りコーヒーでも、おそらくそんなに苦くないと思います。なにせ焙煎者が苦味が苦手なので。。。
 
コーヒーを苦くする方法ですが、単純に深煎りにすればよいというものでもありません。
(単純に深煎りでもいいのですが(;^_^A)
 
コーヒー独特の苦味の発現は、多くの場合深煎りにすることで起こるのではなく、焙煎方法によって
1.焙煎途中で苦み成分が表れる
2.焙煎度を深くすることでマイルドな苦味にする

ちょっと語弊がある書き方ですが、こんなイメージです。
苦味の元となる成分は、焦げの類ではありません。
 
焙煎に詳しい方は分かると思いますが、強火力で焙煎していて1ハゼ後に火力を落とさずに焙煎を続けたコーヒーは、刺すような苦味を伴います。
これは火力が強すぎたことによる焦げの味です。
 
こんなコーヒーは売り物になりません。

以上はスペシャルティーコーヒーで苦味を作るための方法でしたが、全く別のアプローチで苦いコーヒーを作ることができます。
むしろこっちの方法が一般的といえるかもしれません。それは、

3.コモディティーコーヒーを使う
 
です。
スペシャルティーコーヒーとコモディティーコーヒーの決定的な違いは、完熟豆を選別したかそうでないかです。

スペシャルティーコーヒー・・・すべて完熟豆
コモディティーコーヒー ・・・完熟豆とみ完熟豆が混在

そもそもコモディティーコーヒーはコストを下げることが最大の使命ですので、豆の選別なんて人件費がかかることはやらないのが普通です。
ですので、完熟豆が多く入っているロットは、比較的品質が良く美味しい。未完熟豆が多いロットは、なんだか味がまとまらない。
こんなことは当たり前のように起こります。
未完熟豆は焙煎すると、多くの場合豆に不快な渋みが付与されることが多いのですが、これは時間をかけて焙煎することによって低減させることが可能です。
これを利用して、この渋み成分を不快にならないくらい残しつつ深煎りにすると、苦味の強いコーヒーになります。
 
ちなみに、自分の扱うコーヒーでもコモディティーコーヒーはあるので、都度風味は調節しますが、基本的にコモディティーで苦みを作る方法では豆を選んで行います。
私の場合、苦味を作る豆はインドネシアの「ジャンビット」を使います。
これは、インドネシア/ジャワ島の国営農場で栽培されるアラビカ豆を使ったもので、品質がまあまあ良くて深煎りで独特の風味が出るので、私は好んで使います。
それ以外の豆を深煎りにすることはあまりありませんが、グアテマラのSHBを使うと、比較的良い苦味のコーヒーができるので、時々使います。
ただ、グアテマラSHBはブレンドベースで使うことが多いので、敢えて苦味用に回そうとは思っていませんが。。。
 
基本的に、スペシャルティーコーヒーにコモディティーコーヒーをブレンドすることはないので、
苦味を作りたい場合はスペシャルティーコーヒーの中から苦くなる豆を選んで作ることがほとんどですが。

こんな感じで、苦味もうまく調節して美味しいコーヒーを作っていきます。



アイスコーヒーの季節


ゴールデンウィークを境に、急に暑い日が続くようになりましたね。
 
今年も、そろそろアイスコーヒーを作り始める季節になったようです。
 
アイスコーヒーといえば・・・
 
最近はコンビニでドリップコーヒーを(100円で)提供するようになり、割とおいしいアイスコーヒーが簡単に手に入るようになりました。
 
コーヒーの売り手としては、若干憂鬱な事態ではありますが(;^_^A

「そりゃあ、100円でアイスコーヒー出せたら苦労はしませんわ(心の叫び)」
 
コーヒーの平均的な相場価格がどんどんと下がっている気がします。
消費者側から見たら良いことですが、販売側から見たら冷や汗が出てきますね・・・

ということで、私のような自家焙煎店が進む道は、

・安さを売りにしない
(元々の豆がかなり高価なので、安くできないし)

・そのかわり、「圧倒的高品質」なコーヒー
(品質だけは馬鹿みたいに良い(;^_^A)
 
・すっきりとした、飲みやすいアイスコーヒー
(ごくごく飲めて、お代わりが欲しくなるようなアイスコーヒー)
 
・そして、いろいろなバリエーションの風味が楽しめる
(といっても基本はコーヒー味)
 
そんなアイスコーヒーを作りたいと思っています。

〇コーヒーの相場なんてあるの?
 そもそも、本当に良いコーヒーがなかなか手に入らないから、「とりあえず手に入る、そこそこの品質の豆で何とかとかしよう」という観点から、コーヒーの価格ってこのくらいじゃなければ・・・という相場観が(今までは)形成されていたように感じます。

近年のコーヒーブームで様々な形でコーヒーに関する商品が市場に投入され続け、供給過剰なんじゃないのか?と思えるほどですが、そのせいで価格の競争が起こり(相場価格を押し下げ)消費者側は選択肢が増えて、しかも手軽にコーヒー(および関連商品)を買い求めることができますね。
 
しかし・・・実際問題、私が扱うコーヒー豆ってそういった相場の価格では原価割れするものがほとんど(;^_^A
 大体において、安くて600円(/100g)前後から、高いものでは4000円(/100g)なんてコーヒーもあります。

もともとスペシャルティーコーヒー志向なのだから、品質にとことんこだわっていこうと、改めて思った次第です。
 相場を気にしたら何にもできなくなってしまいますしね(気にはなりますけど)。
 
さて、話をアイスコーヒーに戻しますが、
アイスコーヒーは、基本的にブレンドで作ります。
深煎りのコーヒーをベースにして、そこに中深煎り、中煎りと焙煎度の異なる豆を合わせて、味に幅を持たせるのです。
 
なんでそんなことするのか?
 
ホットではシングルオリジンで美味しいコーヒーでも、アイスコーヒーにすると、冷たさで風味がわからなくなり、単調な味に感じてしまうのです。
 
そこで、異なった風味のコーヒーをうまく合わせることによって、単調さを感じない、美味しいアイスコーヒーを作るのです。
 
私の作るアイスコーヒーには3種類の味があります。

・苦味をベースにしたアイスコーヒー
・酸味をベースにしたアイスコーヒー
・その中間の(?)アイスコーヒー

この中で、苦味ベースと中間の味のアイスコーヒーは基本的にブレンドです。

酸味ベースのコーヒーは、現在はシングルオリジンのコーヒーを使いますが、ブレンドの方が良いのかな?
今後の検討課題ですね。

ブレンドの方法ですが、自分なりのルールに基づいて比率を決めています。
以下のような比率です。

・ベースの味:60%

・サイドベース(味に広がりを持たせる):30%

・アクセントを持たせる味:10%

比率は人によって色々考え方があると思いますが、ベースの味は60%が良いかなと思っています。
これより少なくなると、ベースの風味が弱くなりすぎて、作りたいアイスコーヒーの個性が失われていく気がします。
単純に味だけを見ていると、だんだん何がコンセプトなのかわからなくなってくるので、こんな味にするための比率を明確にしておくと良いかと。

例を挙げましょう、
私のメインのアイスコーヒーは深入りベースですが、

メインは「タンザニア/モンデュール(深煎り)」60%、

サイドベースは「コロンビア/ナリーニョ(中深煎り)」30%、

アクセントに「エチオピア/イルガチェフェナチュラル(中煎り」10%

この比率にします。
ブレンドする豆を増やしたい場合は、「メイン(ベースの味)の深入りコーヒーをA50%、B10%の比率で加える」のような考え方で増やします。
 
こうすると、「どの味を変えたいのか」が明確になるので、(主に自分が)理解しやすくなります。
 
こんな感じで、アイスコーヒーの調整を着々と準備中・・・
 
とはいかず、意外とてこずっています。

特に、酸味のアイスコーヒーの方で(;^_^A
 
商品リリースにこぎつけたら、また何かの形で発表します。

それでは!



手動式のコーヒーミルを電動化する方法


コーヒーミルを持っている人の多くは、ハンドミルだと(勝手に)思っています。
ハンドミルの魅力は、

現代の時間の流れから解放してくれ、至福のひと時を過ごせる
 
これに尽きるかなと思いますが、その一方でコーヒーを挽かないひとの言い分としては、
 
「豆を挽くのに時間がかかり、結構疲れる」
 
ということだろうと思います。
そんな悩みを解決してくれそうな方法がありました。

それが、以下の動画です↓

・・・
 
・・・
 
・・・
 
はいっ、すいません単なるネタです(笑)
この動画を見た感想としては
 
「電動ミル買おうよ」
 
ですねぇ。