コーヒーの苦味は付与するもの


苦いコーヒー、好きな人も多いと思います。
 
実は、私は苦いコーヒーが苦手です(;^_^A
コーヒーの自家焙煎店やっているのにね。
 
多くの方にご好評いただいている私のコーヒーですが、苦味重視の深煎りコーヒーでも、おそらくそんなに苦くないと思います。なにせ焙煎者が苦味が苦手なので。。。
 
コーヒーを苦くする方法ですが、単純に深煎りにすればよいというものでもありません。
(単純に深煎りでもいいのですが(;^_^A)
 
コーヒー独特の苦味の発現は、多くの場合深煎りにすることで起こるのではなく、焙煎方法によって
1.焙煎途中で苦み成分が表れる
2.焙煎度を深くすることでマイルドな苦味にする

ちょっと語弊がある書き方ですが、こんなイメージです。
苦味の元となる成分は、焦げの類ではありません。
 
焙煎に詳しい方は分かると思いますが、強火力で焙煎していて1ハゼ後に火力を落とさずに焙煎を続けたコーヒーは、刺すような苦味を伴います。
これは火力が強すぎたことによる焦げの味です。
 
こんなコーヒーは売り物になりません。

以上はスペシャルティーコーヒーで苦味を作るための方法でしたが、全く別のアプローチで苦いコーヒーを作ることができます。
むしろこっちの方法が一般的といえるかもしれません。それは、

3.コモディティーコーヒーを使う
 
です。
スペシャルティーコーヒーとコモディティーコーヒーの決定的な違いは、完熟豆を選別したかそうでないかです。

スペシャルティーコーヒー・・・すべて完熟豆
コモディティーコーヒー ・・・完熟豆とみ完熟豆が混在

そもそもコモディティーコーヒーはコストを下げることが最大の使命ですので、豆の選別なんて人件費がかかることはやらないのが普通です。
ですので、完熟豆が多く入っているロットは、比較的品質が良く美味しい。未完熟豆が多いロットは、なんだか味がまとまらない。
こんなことは当たり前のように起こります。
未完熟豆は焙煎すると、多くの場合豆に不快な渋みが付与されることが多いのですが、これは時間をかけて焙煎することによって低減させることが可能です。
これを利用して、この渋み成分を不快にならないくらい残しつつ深煎りにすると、苦味の強いコーヒーになります。
 
ちなみに、自分の扱うコーヒーでもコモディティーコーヒーはあるので、都度風味は調節しますが、基本的にコモディティーで苦みを作る方法では豆を選んで行います。
私の場合、苦味を作る豆はインドネシアの「ジャンビット」を使います。
これは、インドネシア/ジャワ島の国営農場で栽培されるアラビカ豆を使ったもので、品質がまあまあ良くて深煎りで独特の風味が出るので、私は好んで使います。
それ以外の豆を深煎りにすることはあまりありませんが、グアテマラのSHBを使うと、比較的良い苦味のコーヒーができるので、時々使います。
ただ、グアテマラSHBはブレンドベースで使うことが多いので、敢えて苦味用に回そうとは思っていませんが。。。
 
基本的に、スペシャルティーコーヒーにコモディティーコーヒーをブレンドすることはないので、
苦味を作りたい場合はスペシャルティーコーヒーの中から苦くなる豆を選んで作ることがほとんどですが。

こんな感じで、苦味もうまく調節して美味しいコーヒーを作っていきます。


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