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メリタ式ドリッパーを使った美味しいコーヒーの淹れ方


コーヒーの一番お手軽な淹れ方の一つが、ハンドドリップですが、いくつも種類があり、それぞれ淹れ方が異なります。

その中でも一番簡単で、しかも美味しく淹れられてしまうと評判の、

「メリタ式ドリップ」に注目したいと思います。

ちなみにですが、メリタ式のドリッパーは正式にはコーヒーフィルターと呼んでいるようです。ですが、形状としてドリップ方式であるので、ここでは慣用的な表現であるドリッパーという表現で統一しています。ご了承ください。

メリタ式ドリッパーで淹れるコーヒーの特徴は?

メリタ式ドリッパーは、お湯が落ちる穴が一つだけ開いています。その穴の大きさも数ミリ程度で、一目見て「これはお湯が溜まるタイプだね」とわかります。

メリタ式ドリッパーは、「浸漬式(しんししき)」と呼ばれる抽出方法に分類される淹れ方になります。

同じ方式の淹れ方としては、「コーヒープレス(フレンチプレス)」があります。お湯にコーヒーの粉を浸しておいて、成分が染み出してくるのを待つ方法です。

メリタ式の場合は、小さいながらも穴が開いているので、お湯は随時流れ出していきますが、粉がお湯に浸されている時間が長いので、浸漬式に分類されます。

お湯に長く使っているために、しっかりと成分が抽出され、ボディのあるコーヒーが簡単に楽しめる一方で、淹れ方によっては加抽出になって、渋みが強調されたコーヒーにもなってしまいます。

と言っても、淹れ方は何にも難しくなく、お手軽に美味しいコーヒーを楽しめる抽出方法の一つです。

メリタ式ドリッパー、美味しいコーヒーの淹れ方動画

メリタ式の淹れ方は、すでに知られているよね・・・そう思われた方、正解です。こちらのリンクからメリタ公式の、淹れ方の動画を見ることが出来ます。

これでも十分に美味しいですが、メーカー推奨の方法に少しひねりを加えることで、ワンランク上の味を出すことが出来ます。

ここでは、メーカー推奨の淹れ方をベースに、少し工夫した淹れ方を紹介していきます。
ここでは2杯取りを例にしています。

メリタ式、美味しいコーヒーを淹れるために準備するもの

・お湯

湯の温度は90℃以下が良いです。
沸騰したてのやかんのお湯は98℃、専用ケトルに移して95℃になります。
サーバーの温めも兼ねてお湯をサーバーに移し、ケトルに戻します。
これでやっと約90℃です。
お湯は、杯数に関わらずたっぷりと用意してください。
お湯が少ないと、コーヒーを淹れている間に、お湯が冷めてしまいます。

・注湯専用のケトル

お湯を沸かすためのやかんとは別に、お湯を注ぐ専用の、細口の専用ケトルがあった方が良いです。2000円くらいからあるので、持っていない方は検討してください。
お勧めはカリタのステンレスポットです。5000円くらいです。

・コーヒーの粉

好みの物を中挽き~中粗挽きにして使います。
メーカー推奨は中細挽きですが、やや粗目にすることですっきりとした味わいになります。
こってりとしたコーヒーが良い人は細かめの挽き目でも良いでしょう。

・ドリッパー(メリタ式アロマフィルター)

メリタ式の使用方法なので当然ですが(笑)

今回使用するドリッパーは「アロマフィルター」と呼ばれるものを使いました。

メリタ式ドリッパーの特徴である一つ穴が、一番底の部分から少しずれた位置、若干高いところに開けられています。

メーカーサイトでの解説によると、蒸らし効果が上がるとの事ですが、最初の注湯のお湯が落ち切らずに底に残るため、ドリッパーの底から蒸気が上がって蒸らしを促進することを狙ったものと思われます。

また、メーカーサイトには説明がありませんが、ドリップ終盤のお湯は、コーヒーのうまみ成分はほとんど含まれず、むしろ渋みやえぐみを多く含んでいます。

渋みやえぐみを含んだお湯を落としきらずに受け止めることで、(若干ですが)マイルドな風味になることも期待できます。

・ペーパーフィルター(扇形のもの)

メリタ純正でもよいですが、必ずしもこだわる必要はないかと
ドリッパーに合うサイズのものを使いましょう

・サーバー

コーヒーを受けるためのもの
プロは、サーバーを使わずにドリッパーをカップに乗せて直接落としたりしますが、お湯の量を把握できるようになれば、感覚で正確な量をドリップできるようになるものなんですねぇ。

ですが、職人技を覚えるよりはメモリの付いたサーバーを使ったほうが楽ですし、正確ですw。メーカー品であればどこの物でも構わないと思います。

ただし、100均などで売っているノーブランド品のサーバーは注意してください。自分は過去にお湯を注いだ瞬間に底が抜けた(突然割れた)経験があります。それ以来、安物買いはしないようにしてます。

メリタ式、美味しいコーヒーを淹れる手順

1.ドリッパーに粉を入れる

00_kona02

 上から見たところ。

01_kona01

粉は、ドリッパーをゆすって平らにならしておきます。

粉の量は、
1杯取り:12g
2杯取り:23g
3杯取り:32g
4杯以上:杯数x10g

濃いめ設定ですので、好みに応じて量を調整してください。

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2.お湯を注ぐ

ケトルからお湯を静かに、粉の中央に注ぎます。
画像ではやや高めからお湯を落としていますが、可能な限り注ぎ口をドリッパーの縁に当てるくらいまで下げ、口を粉に近づけて、粉が暴れないようにします。
画像のように泡が出て膨らむ場合もあります。膨らまない場合もありますが、気にせずに中央に、静かにお湯を注ぎます。

ポイントは、粉を完全に濡らしてしまわないこと、です。
粉を完全に湿らそうとして、端にお湯をかけることはしない方が良いです。
乾いた粉はそのままにしておいてください、そのうちにお湯が回り、湿ってきますので大丈夫。

drip01

 

3.お湯を注ぐのをいったん止めて、蒸らす

ペーパー近くの粉周辺まで湿ってきたら、一回注湯を止め、下からコーヒーの液体が落ちてくるのを待ちます。
(落ちてこなくても良いです)
大体30秒くらい待ちます。

蒸らしの時間ですが、深煎りのコーヒーは待った方が良いです。
しっかりと、コクのあるコーヒーになります。

逆に浅煎りの、最近はやりのサードウェーブコーヒーなどは、待たない方が良いです。
待ちすぎると酸味がきつくなります。

コーヒーが落ち始めたら、次の注湯を行います。

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4.再びお湯を注ぐ

お湯を静かに注ぎます。
この時、メーカー推奨方法とは違い、注ぐ量は
「コーヒーがひたひたに浸かるより、ちょっと少な目」
です。
お湯は粉の中心目指して静かに注ぎますが、外れても気にしなくて大丈夫。
お湯を「の」の字に回さなくても大丈夫(笑)
大事なのは注ぐお湯の量です。

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5.コーヒーを落とす

ひたひたよりちょい少なめで注湯をいったん止め、液体を落とします。
落としきっても構いませんが、待ちすぎると冷めてしまうので、中央が適度にくぼんだら、
再びお湯を注いでください。

「アクは落ちないんですか?」

大丈夫です。そもそも良いコーヒーのアクは「クレマ」と言って、トルココーヒーなどでは、敢えてすくってコーヒーに加えたりします。
それに、コーヒーの粉の層が厚く残っているはずなので、アクが粉の層を抜けて下に落ちることはありません。

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6.再びお湯を注ぐ

ふたたび、
「コーヒーの粉がひたひたに浸かる」
位の量までお湯を注ぎます。
そして、液体が落ちるのを待ちます。

4、5の「お湯を注ぐ」、「コーヒーが落ちるのを待つ」
を規定のコーヒー量になるまで繰り返します。

07_stop

 

7.規定の量になったら、ドリッパーを外す

目盛をみて(あるいは計りで重量を計って)、既定の量に到達したら、コーヒーが落ちている最中でも、ドリッパーを外します。
お湯を落としきる必要はありません。

目的量近くになると、落ちている液体はかなり薄いので、落とし過ぎるとコーヒーが薄くなってしまいます。

8.コーヒーカップに注いで出来上がり

画像省略(笑)

肝心な画像を撮影していませんでした^^;
落とした後、結構思い通りの味になったことに満足して、普通にコーヒーを楽しんでいました。

※おまけ

お湯が落ち切った後の粉の様子

08_finished

粉が、こんな感じで下の方にたまっていることが大事です。
粉を下の方にキープすることで、お湯が厚い粉の層を必ず通り、しっかりと抽出できた美味しいコーヒーになるのです。

長い文章なりましたが、簡単ですので、是非一度試してみてください。

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焙煎三昧



mt.Fuji@Nihondaira

週末にかけて、焙煎条件を見直しました。
新たなリサーチ項目として気圧を追加しましたが、焙煎条件への影響が明らかになるのは数か月~1年以上データを取ってからになるでしょうね。

今ままでの焙煎条件から新しい焙煎条件に替える必要性の直接原因は、ガス種を変えたことにあるということが判明^^;
気圧、モニタリングする意味あるのか、早くも暗雲が垂れ込めています。。。

現在、焙煎小屋ではブタンガスを使用して焙煎を行っています。
つまり、カセットコンロ用のボンベね。
カセットコンロそのままでは、微圧計などの調整器が使えないので、こんな変換アダプターを使っています
これ↓

これを使ってカセットボンベを4本並列につなぎ、ガス圧調整器を間に入れてプロパンガスコンロで使えるようにしています。
プロパンの小型ボンベに対する規制が厳しくなっている現在ではこんな道具を使う必要がありますが、プロパンボンベを購入して、いちいち充填を業者にお願いすることを考えたら、コストパフォーマンスはかなり優れていると思われます。
これは、イベントや出店でも使えると思いますので、参考までに載せました。
ただし、安全には十分に配慮する必要があります。

閑話休題

で、ブタンガスに替えてわかったことですが、ブタンガスの方がプロパンよりもかなり火力があります。
感触としてはブタンガスの方が、1.5倍くらい火力が強い。
コーヒーの焙煎では、これがかなり大きく影響します。

とりあえず、ガス圧を今までの2/3にして、いつもの焙煎条件に戻しました。
そして、細かくガス圧を振って、何とか自分の味を取り戻せたかなというところまでこぎつけました。

今回の経験から、色々と興味深いことが判りました。
焙煎時間が短くなりすぎると、アフターテイストとボディに影響が大きく出るようです。
これは成分が揮発したとは考えにくく(焙煎時間は短いので)、ボディやアフターテイストに関わる成分の形成が未完了なためと思われます。
代わりに、渋味が乗ります。
ただしその渋味も、いわゆる「生焼け」状態の渋味ほど強くはなく、収斂性が強いかな?程度のものです。

ちなみに、この現象は半熱風式焙煎機の方が経験しやすいと思われます。
直火式焙煎機では、この現象が起きるよりも先に「生焼け状態」の強い渋味が先に出てしまって、風味が露骨に失われる気がします。
焙煎初期における風味の微調整は、半熱風式の方がやりやすいのかもしれない、そんな気がします。
逆に直火式焙煎機はそこの調節に職人技が必要なのかも。

話は変わりますが、僕が短時間焙煎にこだわる最大の理由は、コーヒーの「旨み」は短時間焙煎でしか表現できないと考えているからなんです。
ゆっくりと焙煎したことを謳うコーヒー、巷には数多くありますが、僕には全く物足りない。
一つ一つの味(苦みや酸味など)はきれいに表現されていますが、それは他の成分を飛ばしてしまった残り、そんな風に感じてしまうのです。
全体の味は荒々しくても、「旨い」と感じられるコーヒー、そんな味を作りたい。
そう思っています。

他の焙煎士の方には怒られるかもしれませんが、コーヒーの美味しさは、90%以上が豆のポテンシャルに依存していると僕は思っています。
その美味しい豆のポテンシャルを100%表現する手伝いをするのが、焙煎の仕事なのかなと。

美味しいコーヒーを育ててくれた農園の方に敬意を表しつつ。
素晴らしいコーヒーが育った産地の環境を思い描きながら・・・



焙煎条件を再確認



久しぶりの投稿です^^;

ここ最近、急に夏らしくなってきましたね。
それは良いのですが、最近焙煎でちょっとつまづいています。

気温が急に変化したせいでしょうか、今までの焙煎方法では、いつも通りの風味にならないのです。
焙煎条件、ここで今一度見直すことにしました。

で、焙煎するときにモニタリングする項目も増やしました。

それは「気圧」です。

気圧計を自作して、この値をモニタリングすることにしました。
これ↓

自作気圧計です。 無事に動作してホッと一安心

自作気圧計です。
無事に動作してホッと一安心

焙煎機の火力は、ガス圧を見ながら調整しています。
これって通常ガスコンロの調節よりもはるかに細かいんですよ。
最少火力と、最大火力の間を30段階以上に調整しています。
これがガス圧計です↓
DSC_0067

で、気圧とどう関係するの?と言うところですが・・・
このガス圧計は大気圧をゼロ点として、差圧を計っています。
目盛が2のところだったら、大気圧+2kPaと言うことです。

つまり、気圧が高い日と低い日では、ガスの圧力が違うと。。。
更に、天候が変わっていくとゼロ点が変わるので、当然表示も変わると。

ひょっとして、それが焙煎に影響しているんじゃないか?と・・・

本当なら水銀を使った精密な気圧計が欲しい所ですが、20万円以上するので諦めました。
今回作ったのは半導体センサーを使った気圧計です。

まあ、キットを組み立てただけですが・・・^^;

半導体センサーを使った気圧計でも既製品を買うとそれなりのお値段なので、いっそ自作してしまおうと思い立って、作っちゃいました。

電子回路の組み立てかなり久しぶりだったので、結構冷や冷やものでしたが無事に動作して何よりです。
気圧が正しいかどうかは何とも言えませんが、一応正しい標高を示しているので大間違いは無いだろうと。
今日の値をデフォルトとして差分を取っていけば、焙煎との相関も見えてくるかもしれません。

あ、気圧が焙煎に影響しているかどうかはまだ仮定なので、もしかしたら全然関係ないかもしれません^^;