週末にかけて、焙煎条件を見直しました。
新たなリサーチ項目として気圧を追加しましたが、焙煎条件への影響が明らかになるのは数か月~1年以上データを取ってからになるでしょうね。
今ままでの焙煎条件から新しい焙煎条件に替える必要性の直接原因は、ガス種を変えたことにあるということが判明^^;
気圧、モニタリングする意味あるのか、早くも暗雲が垂れ込めています。。。
現在、焙煎小屋ではブタンガスを使用して焙煎を行っています。
つまり、カセットコンロ用のボンベね。
カセットコンロそのままでは、微圧計などの調整器が使えないので、こんな変換アダプターを使っています
これ↓
一般LPガス器具にカセットガスが利用出来るアダプターです。プロパンガスボンベの代わりに、便… |
これを使ってカセットボンベを4本並列につなぎ、ガス圧調整器を間に入れてプロパンガスコンロで使えるようにしています。
プロパンの小型ボンベに対する規制が厳しくなっている現在ではこんな道具を使う必要がありますが、プロパンボンベを購入して、いちいち充填を業者にお願いすることを考えたら、コストパフォーマンスはかなり優れていると思われます。
これは、イベントや出店でも使えると思いますので、参考までに載せました。
ただし、安全には十分に配慮する必要があります。
閑話休題
で、ブタンガスに替えてわかったことですが、ブタンガスの方がプロパンよりもかなり火力があります。
感触としてはブタンガスの方が、1.5倍くらい火力が強い。
コーヒーの焙煎では、これがかなり大きく影響します。
とりあえず、ガス圧を今までの2/3にして、いつもの焙煎条件に戻しました。
そして、細かくガス圧を振って、何とか自分の味を取り戻せたかなというところまでこぎつけました。
今回の経験から、色々と興味深いことが判りました。
焙煎時間が短くなりすぎると、アフターテイストとボディに影響が大きく出るようです。
これは成分が揮発したとは考えにくく(焙煎時間は短いので)、ボディやアフターテイストに関わる成分の形成が未完了なためと思われます。
代わりに、渋味が乗ります。
ただしその渋味も、いわゆる「生焼け」状態の渋味ほど強くはなく、収斂性が強いかな?程度のものです。
ちなみに、この現象は半熱風式焙煎機の方が経験しやすいと思われます。
直火式焙煎機では、この現象が起きるよりも先に「生焼け状態」の強い渋味が先に出てしまって、風味が露骨に失われる気がします。
焙煎初期における風味の微調整は、半熱風式の方がやりやすいのかもしれない、そんな気がします。
逆に直火式焙煎機はそこの調節に職人技が必要なのかも。
話は変わりますが、僕が短時間焙煎にこだわる最大の理由は、コーヒーの「旨み」は短時間焙煎でしか表現できないと考えているからなんです。
ゆっくりと焙煎したことを謳うコーヒー、巷には数多くありますが、僕には全く物足りない。
一つ一つの味(苦みや酸味など)はきれいに表現されていますが、それは他の成分を飛ばしてしまった残り、そんな風に感じてしまうのです。
全体の味は荒々しくても、「旨い」と感じられるコーヒー、そんな味を作りたい。
そう思っています。
他の焙煎士の方には怒られるかもしれませんが、コーヒーの美味しさは、90%以上が豆のポテンシャルに依存していると僕は思っています。
その美味しい豆のポテンシャルを100%表現する手伝いをするのが、焙煎の仕事なのかなと。
美味しいコーヒーを育ててくれた農園の方に敬意を表しつつ。
素晴らしいコーヒーが育った産地の環境を思い描きながら・・・