美味しいコーヒーの産地 ~エチオピア~


エチオピア地図

エチオピア国旗

街中の人に
「コーヒーの産地を言ってください」
と質問したら、確実にブラジルが一位になるでしょうね。その次がコロンビアでしょうか。

コーヒーの産地はどこ?
と問われてエチオピアを真っ先に挙げる人は、相当なコーヒー好きと思われます(笑)。
しかし、エチオピアのコーヒーは、産地別の美味しいコーヒーとして真っ先に取り上げるだけの価値があります。

エチオピアコーヒーは、古くから「モカ」コーヒーとして知られています。
エチオピアコーヒーを聞いたことが無い人でも、モカコーヒーは知っているでしょう。

風味は非常に独特かつエレガントで、華やかな香りを持ち、キリッとして後味の良い風味は多くの人を魅了しています。
また深煎りにすると、チョコレートフレーバーを感じることができます。
「カフェモカ」と言うココアとコーヒーを混ぜた飲み物は、モカコーヒーのようなチョコレートフレーバーをイメージして作られたらしいですよ。

自然にコーヒーが育つ環境があるエチオピアは、最も美味しいコーヒーができる国の一つなんです。

国土の大部分はアビシニア高原と言われる地域で、標高2000m~3000mあります。
気候区分としてはサバンナ気候ですが、
アビシニア高原は、標高があるおかげで気温変化は15~25℃前後と温暖で雨量も多く、
植物が生育しやすい環境がととのっています。

このアビシニア高原こそ、コーヒー発祥の地と言われています。
14世紀ごろまでに、エチオピアや、海峡を挟んで隣の国イエメンでコーヒーがイスラム聖職者によって発見され、眠くならない薬として重用されました。
17世紀までは、世界のコーヒーはエチオピアとイエメンが(と言うよりイスラム社会が)独占的に生産していました。
エチオピアのコーヒーは、かつてイエメンの「モカ港」に集積され、世界に出荷されていました。
それ故に、エチオピアのコーヒーを現在でも「モカ」と呼ぶのです。

この地域には、現在も数多くの野生のコーヒーの木が存在しています。
種類はすべてアラビカ種ですが、種が特定されていないコーヒーが数多く存在しているようです。
エチオピアのコーヒーは、野生だか農園だか良く判らないような状況で育ったコーヒーが収穫されているのです。

地区としては、
・ハラー(東部)
・シダモ(南部)
・ジンマ(西部)
・レケンプティ(西部)

が有名です。
近年、シダモ地区のイルガチェフェ村産コーヒーが特に人気ですね。
私も常に在庫を持っています。

エチオピアのコーヒー生産量は世界第5位ですが、世界シェアとしては4%程度です。
コーヒーはブラジルが40%、ベトナムが20%のシェアを誇っており、残りの4割を多くの国で分け合っている感じです。

エチオピアのコーヒーは、欠点豆の少なさでグレードを定めています。
エチオピアには高地であるため、コーヒーを食い荒らす害虫が少なく、病気にもあまりならないため、コーヒーの品質は単純に生産処理の良し悪しで定められる事ができるからです。

病害虫がいない環境であるため、農薬を使う必要は無く、また貧しいが故に農薬を買う事も出来ないため、特に記載がなくても無農薬栽培のコーヒーがほとんどです。
(資産に余裕がある生産団体が管理している地域では、オーガニック認証などを取っているところもあります)

コーヒーの美味しさは、量ではなく質、それは間違いなさそうです。


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