しばらく記事更新が滞ってしまいました。
日々忙しいですが、春になったことですし心を入れ替えて?記事の更新頻度を上げていきたいと思います。
で、早速のお題ですが「コーヒーの品種」で一番美味しいのはなんだろうね?
豆の品種ですよ。ブランドではなく。
実はこの質問「かなりの愚問」であることを、あらかじめお断りしておきます。
そもそもコーヒーは嗜好品ですので、好みなんて人それぞれ。
それに、コーヒーの風味は生産処理方法によっても変わってくるので、豆の品種だけでの優劣はつけられない。
さらに・・・
大部分のコーヒー豆生産地では、複数の品種を収穫し、混合して出荷しているので、一般に単一品種のコーヒーを飲む機会ってあまりないんですよ。
単一品種のコーヒーを飲みたかったら、サードウェーブコーヒーを専門に扱っている自家焙煎店などに行って確認するのが一番確実だとは思います。
ただ、マイクロロット農園でさえ、複数の品種を混ぜている場合がありますけれどね。
私が扱っているコーヒーも大部分が、農園で複数の品種をブレンドしています。
例えば、一番人気「タンザニア/モンデュール」は・・・
品種:N39、KP423
・・・
なんのこっちゃ? と思われるかもしれませんが、立派な品種名です。
タンザニアの「リャムングコーヒー研究所」と言うところで、タンザニア各地のコーヒー農園からサンプルが集められ、その中から選抜された優良品種につけられた名前です。コードネームのようなものでしょうかね。
現在タンザニアでは上記2種は「伝統的品種」という位置づけになっているようです。
つまり、豆の品種に「伝統種」のような記述があったら、「ああ、N39かKP423だね」と思えばよいのです。
うっかり人に知識を披露しても、ほとんどの人には判ってもらえないと思いますが・・・
話を戻しますと、このように複数の品種を混合するのが一般的で、単一品種を味わう事は基本的に非常に少ないということです。
そんな中、私が扱うコーヒーで単一品種の豆がありました。
それは「ティピカ」です。
ティピカはコーヒーの原種に近い種で、非常に風味豊かな事で知られています。しかし、生産性が低く、病害虫に弱く、生産地域が限られるなどの制約が多く、現在は非常に生産量が少なくなってしまいました。
そんな中、「コロンビア/ビジャ・ファティマ」はティピカ単一豆のブランドとして知られています。
ただし、一番おいしいか?と言われると少々事情は異なってきます。
風味は複雑で、スパイシーな風味に柔らかな酸味、すっきりとした後味と、豊かで奥深い味わいのコーヒーですが、カフェスタンドなどでブレンドコーヒーになれてしまった人には、正直好まれない味かなと思います。
私の扱っている豆の中でも、それほど人気がある方ではありません。
じゃあ、一体何の品種が一番いいんだよ?
そんな声が聞こえてきそうですが・・・
そうですね。。。
敢えて一つ挙げるならば、「ゲイシャ」でしょうか?
「芸者」ではありません。ゲイシャです(笑)
2004年にパナマのエスメラルダ農園が「ベスト・オブ・パナマ」というパナマの国際品評会で1位を獲得し、一気に人気種になりました。
ゲイシャ種は、エチオピアで発見された原種で、現在では世界各地で栽培が進んでいます。
ただね・・・ゲイシャだからって何でも良いというわけではなく、やはりエスメラルダ農園のゲイシャが一番おいしいです。
お値段は、ビックリする程高いですが・・・
私も一応取り扱っていますが、基本的に販売はせず、イベントでゲリラ的に提供することがほとんどですね。
美味しいけど高すぎて、評価しずらいんですね・・・
結局何が言いたいのかと言うと、
コーヒーのおいしさは「品種(だけ)で決められるものではない」という事を一番言いたいです。
品種で選ぶのもアリと言えばアリですが、それ以外にも美味しさを左右する要素が沢山あります。
ですので、色々なコーヒーを試してみるのが良いのかと。。。
ということで、今回はこの辺で。