前回からの続きです。今回はスペシャルティーコーヒーの見分ける方法(?)も解説したいと思います。
〇混乱の原因は小売業者にある? 伝え方が足りないかなぁ・・・
スペシャルティーコーヒーと、それ以外のコーヒーを明確に区別する基準は・・・実はありません。
飛びぬけて美味しいコーヒーを、専門の鑑定士(Qグレーダーなど)が評価しているものは、明確にスペシャルティーコーヒーと言えるのですが、実はコモディティーコーヒーとして流通しているコーヒーの中にも、「スペシャルティーコーヒーと名乗ってもおかしくない品質」のコーヒーが混じっていることがあります。
何故そんなことになるのかと言うと、販売側がきちんと伝えないでいる場合があるから、なんです。
コーヒーの販売店によっては「お客様が混乱する」と言う理由で、細かい情報を出さない場合もあります。
美味しければそれで良いじゃないか・・・
そういったスタンスという事なんですね。
アメリカ発のコーヒーを売り込む戦略だとして、「スペシャルティーコーヒー」や「サードウェーブ」と言う概念を嫌うお店も少なくありません。
まあ、わからなくもないのですが・・・
しかしながら、きちんとした情報は小売店が出すべきですね。
日本のコーヒー業界はもっと変わっていかなければならないと、私個人は考えています。
〇スペシャルティーコーヒーの見分け方 ポイントはブランド名ではなく、細かい地域情報
スペシャルティーコーヒーの最大の特徴は「産地の情報を事細かに公開している」ことです。
例えば・・・
タンザニアコーヒーだったら・・・
「キリマンジャロ」→「プレミアムコーヒー」(コモディティーコーヒーから、産地で選り分けしたもの)
これはスペシャルティーコーヒーとしては全く情報不足で、この程度の表示でしたら、コモディティーコーヒーです。
スペシャルティーコーヒーなら
タンザニア/モンデュール
タンザニア、アルーシャ地方、モンデュール山麓にあるコーヒー農園「モンデュール農園」のコーヒー
生産者はCORRADO DAVICO氏とRUGGERO DAVICO氏
ちなみにこの情報は私のショップページから持ってきました。
このように、スペシャルティーコーヒーは細かい情報が開示されています。
細かい情報の開示が、品質の裏付けでもあるのです。
・シングルオリジン(ストレートコーヒー)
スペシャルティーコーヒーの魅力は、その地域、生産者ごとに異なる風味のコーヒーであるという事が挙げられます。
そのためには、シングルオリジンで楽しみたいものです。
別にブレンドが悪いとは言いませんが、きちんとスペシャルティーコーヒーを理解しているショップでは、シングルオリジンの豆を必ず用意しているものです。
ちなみに私は、シングルオリジンしか扱っていません。
ブレンドするのが面倒くさい
ストレートでも、ブレンド以上に魅力的な風味を持つコーヒーが本当に沢山あるのです。
〇やっぱりグレードを書きたいので、コモディティーコーヒーと表記が混ざっている現状
スペシャルティーコーヒーを扱っているショップでも、コモディティーのグレードと混ざった表示をしているところは多いです。
実を言うと私も、amazonの販売ページでは、グレードの表記をしている場合があります。
その方が検索して、見つけてもらいやすいという事情があるからなのですが・・・
日本社会はどうしても肩書きを貴ぶ傾向はあり、
「立派な肩書 ⇒ だから美味しいはず」
と言うコーヒーの販売戦略が未だに根強く残っています。
改めて申し上げますが、「グレードと美味しさは全く無関係」です。
スペシャルティーコーヒーが一般に浸透するのはまだまだ時間がかかると思いますが、このブログ記事が、スペシャルティーコーヒー理解の一助になれば幸いです。
自分も、もっとガンバロー