美味しいコーヒーの産地 ~コロンビア~


コロンビアコーヒーの歴史は、他の中南米にあるコーヒー生産国と比べると比較的遅く、18世紀末から19世紀といわれています(ブラジルは18世紀初頭)。

コロンビアのコーヒー栽培が遅れた理由ですが、この辺りはかつてインカ帝国が納めていた地域で、西暦1500年以降にスペインの侵略によって開拓された地域という事が挙げられます。
農地を求めての開拓以前に、黄金を求めて人々がやってきたのです。
開拓以来、約300年間スペイン領として統治されていましたが、1819年にコロンビア共和国として独立を果たしました。

もう一つの開拓が遅れた理由が、栽培適地が800m~2300mの標高の高い山岳地帯で、かつ険しい地域であったからだと思われます。
現在でもコロンビアには大規模農園はわずかしかなく、90%以上が1ha以下の大きさで、家族経営の小規模農園です。

コロンビはでは政策的に品質の高いコーヒー豆の生産を推奨してきました。
ブラジルとは異なり、小規模農園を中心にティピカといわれる種類のコーヒーを中心に栽培し、大規模栽培ができない代わりに、手作業による細やかな手入れや、果実を一粒ずつ収穫するなどの数々の手間をかけてきた結果、コロンビアコーヒーは世界から高い評価を受けるようになりました。

「新しいコロンビアと、古き良きコロンビア」
コロンビアで古くから作られている品種「ティピカ」は、ベリーの様な香りと柔らかな酸味、チョコレートの様なフレーバーを有するコーヒーとして世界中で愛されてきました。
しかし、ティピカは病害虫に弱く、収量も少ないために生産は決して効率的とは言えず、収量を上げるための品種改良が度々行われてきました。

そのため、他国からより生産性の高い品種を取り入れたり、また品種改良を行ったりを繰り返した結果、現在のコロンビアでは、数種類の品種を栽培し、産地でブレンドして出荷することが一般的となりました。そうすることである一種が病害虫にやられてしまっても、農園が全滅することを避けることが出来るのです。

しかしながら、本来のコロンビアのコーヒーであったティピカの生産量は大幅に減少し、現在は全体の2割程度となりました。そして、コロンビアコーヒーの風味は以前とは異なるものになってしまっています。
そんな現状を憂う声も少なくなく、今は手に入りにくくなったティピカ単一でコーヒーをと言う動きは少なくありません。

当店、「CAFE LUA CHEIA」でも、コロンビアコーヒーは新しいコロンビアと古き良きコロンビアを楽しめるようにと、2種類取り扱っています。

残念ながら、種として純粋なティピカは、現在のコロンビアではほとんど存在していないようですが、昔の風味を色濃く残した、「現在のティピカ」を楽しんでみるのも一興かもしれません。


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