コーヒーの品質は結局のところ生産段階ですべて決まってしまっていて、その後の輸送、焙煎、抽出においては品質を上げる要素はないといっても過言ではありません。
しかしながら、世界中の人が美味しいコーヒーを頂けるのは、輸送や保管の業務に携わる人がいるからこそで、多くの人が縁の下からコーヒーがカップに注がれるその時を支えているのです。
このようなサプライチェーンの概念を、コーヒーに関しては”From seed to cup”と表現します。
最高に良い品質の生豆が出来たら、如何に品質を落とさずにカップに注がれるコーヒーにするか、そこに多くの人が努力をしているという事ですね。
コーヒーは通常、コーヒー豆を麻袋に詰め、コンテナで海上輸送します。
多くのコーヒーは特別の保護方法を取ってはいませんが、最近はポリエチレンの袋に入れてから麻袋に入れる方法が多くなってきました。
以前、エチオピアのコーヒーから農薬が検出されたという理由で、エチオピアコーヒーの輸入が全面停止になったことがありましたが、麻袋に使っている麻を育てる時に使った農薬が麻袋からコーヒーに移ったという事が判明、輸入は再開されました。
それ以降でしょうか、コーヒー豆を麻袋に直接包まずに、ポリ袋で包むようになったのは。
麻袋は耐久性が高く便利ではありますが、コーヒーを外界から遮断することで品質を保持しようという努力が、徐々に浸透しつつあります。
また、特に品質の高い品評会入賞豆は、船便ではなく航空便で、豆は真空パックに詰めて輸送されることもあります。
輸入商材を扱う日本の倉庫会社の多くは、コーヒー専用の倉庫を持っていて、コーヒーの多くは倉庫会社で保管され、商社からの注文に応じて出荷されていきます。
CAFE LUA CHEIAで扱うコーヒーも、在庫は最小限で、必要に応じて生豆を小分けで発注しています。
コーヒー生豆は常温で保管可能ですが、暑い夏の時期はどうしてもコーヒー豆にも負担がかかります。
一定の温度、湿度の下で管理された生豆は、ニュークロップの状態を長く保っていられるという(非公式な)情報もありますので、生豆はできるだけ専用倉庫で保管しておきたいところです。