失敗から学ぶ美味しいコーヒーの淹れ方


夏の海辺

前回は、コーヒーの淹れ方の失敗の本質は何か?という事に触れました。

つまり本質さえ心得ておけば失敗しても大丈夫・・・なのですが、時々来る質問の中に、

「抽出の練習をしたいのだけれど、失敗するともったいないから安い豆で練習をしたいと思う」

と言ってくる人がいます。

私の答えはこうです。

「練習こそ品質の良いコーヒーを使うべきです。」

これは抽出だけでなく、焙煎もそうです。

品質の悪いコーヒーは、こういっては何ですが「ものすごく地雷が多く」て、成功するポイントを見つけるのが難しいのです。

それに対して、品質の良いコーヒーならちょっと失敗してもそこそこに美味しい。

「今回は(自分の中で)70点くらいの出来栄えだった。次回はこことそこを変えて、もっと美味しくなるか確認してみよう」

そんな気持ちになれます。

品質の悪いコーヒーではこうはいきません。

「全然美味しくなかったけれど、この状況は抽出で解決できるのか、豆が悪いから変えようがないのか判らない・・・」

こういった状況にしばしば陥ります。
さらに、元々の品質のせいで、どんなに頑張っても満点の味は出せませんから、

「自分の抽出技術が上達したのか良く判らない」

こんなジレンマに陥ります。

コーヒーの技術に関するトレーニングでは、

「まず正解を知って、正解に近づくように努力する」
これが上達の早道です。

そのためには練習以前に、正解である「美味しいコーヒ」を見つけておく必要がありますが。

もっとも、美味しいコーヒーは現在は簡単に見つかると思います。

前置きはさておき、具体的に「こうすれば失敗するよ」という事柄を列挙したいと思います(笑)

ここに解説した事柄に注意すれば、なぜいけないかが判り、失敗しないやり方が身に付くと思います。

〇失敗するコーヒーの淹れ方

・× 品質の低い豆を使う
これはもう説明は要らないでしょう。品質の良い豆を使えばそもそも不味くはならないです。

・× コーヒー豆を過剰に細かく挽く
細かく挽けば抽出が早くなるとか、出来る限り成分を出し切りたいとか思うのでしょうか?
細かく挽いて良いのはエスプレッソを淹れる時だけです。多くの淹れ方では、粗い方がすっきりと美味しくなります。

・× 沸騰したての熱湯を使う
コーヒーを淹れるのに最適な温度は90℃以下です。よく「93℃」が最適とか言われますが、スペシャルティーコーヒーの中でも高温で淹れて美味しい豆は限られています。90℃を越えなければ、大抵のコーヒーは美味しく淹れられます。

・× 勢いよくお湯を注ぐ
あまりいないかと思いますが、コーヒーの抽出は慎重かつ静かに行うべきです。プロにはポタポタとお湯を滴下させるくらいの量から淹れ始める人も多いです。ちなみに私も点滴から始めます。

以上の四つは「やってはいけない事」ですよ。お間違いなく!

美味しく淹れるために「やるべきこと」は多いですが、「やってはいけない事」は多くありません。上記の4項目を「やらない」ように気を付ける。これだけでコーヒーの淹れ方はだいぶ変わると思います。是非参考にしてみてください。

それでは!


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