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前回の記事:
☆ 全体の流れを各項目ごとに詳細説明2(3.第一反応帯)
・コーヒーの焙煎 味づくりのポイント(4)
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少し間があいてしまいましたので、前回までの流れをおさらいしましょう。
0.準備
1.投入
2.初期加熱(~130℃)
3.第一反応帯(~170℃)
ここまでで大体7分~8分程度です。
自分の焙煎は全行程が、深煎りでも15分、中煎りだと10分程度の時間で完了します。
いわゆる短時間焙煎といわれる方法ですね。ですので、第一反応帯までで半分以上の工程が終了していることになります。
では、後半の焙煎行程について解説します。
4.第二反応帯(170℃~200℃)
この領域では、コーヒー豆は褐色からより深いこげ茶へと変色し、より収縮していきます。この時コーヒー豆の組織内部では、水分を始め、さまざまな成分が閉じ込められ、内圧がどんどん上がっている状態になっています。そしてある温度になると、内部の圧に豆の組織が耐えられなくなり、ポンッと音がして弾けます。これをハゼといい、この領域で起こるハゼを1ハゼと呼んでいます。
私の焙煎では、時間のかけ方、火力と排気量のバランスに注意を払います。
この工程の焙煎方法にはいくつかのパターンがあります。
A.酸味のコーヒーで、第一反応帯を強火で通過した場合
この領域では、火力を落とします。排気量はやや落とします。
第一反応帯までに、かなりの熱量をコーヒー豆に与えているので、その余熱で焙煎を進行させます。
ある程度の時間をかけて、青臭い風味を消すように心がけます。
ハゼが始まると、相当な量の煙及び蒸気が出るので、排気はそんなに落とさないです。
B.酸味のコーヒーで、第一反応帯を弱火で通過した場合
火力を大幅に上げます。同時に排気量も増やします。
第二反応帯で形成される苦味が少なくなるように、短時間で通過させるのが狙いです。
ここで形成される苦味は、コーヒーらしさを表現するのには重要なのですが、私の酸味コーヒーは、コーヒーらしくないことが重要ですので(笑)、あえて苦味形成を避けるようにします。
C.中深煎りより深い焙煎の場合
火力と排気量を上げます。しかし、B.のような強火力にせず、ある程度の時間をかけて第二反応帯を通過するように心がけます。コーヒーらしい苦味が形成されますので、反応が十分に進行するようにします。かける時間は3分くらいで、これより早いと軽いコーヒーになります。時間をかけてもよいですが、焙煎の進行が止まってしまわないように、ある程度の火力は必要だと考えています。
火力を上げて短時間で第二反応帯を通過させると、軽くて透明感のあるコーヒーになり、時間をかけると質感が増してコーヒーらしくなります。
また、火力で焙煎を進行させるのと、排気量を上げて焙煎するのとでは風味の異なったコーヒーになります。最終的にどんなコーヒーに仕上げたいかで火力と排気のバランスを変えていきます。
この領域では、クロロゲン酸と呼ばれるコーヒーの風味を決定づける酸が、良く形成されるようです。
この風味をどのように生かすか、または抑えるかによって、出来上がるコーヒーの風味は変わってきます。
1ハゼについて
先に述べたように、豆の収縮が進んで内圧が上昇し、組織が耐えられなくなると、組織の一部が破れて内部のガスが解放されます。この時に「ポンッ」とポップコーンが弾けるような音がするので、この状態を1ハゼと呼びます。
1ハゼの起こる温度は、それまでの焙煎プロセス、豆の産地によっても変わってきます。
焙煎の初期段階を弱火でじっくり時間をかけた場合、1ハゼの温度は高くなる傾向にあり、ハゼ音も小さくなります。これは焙煎初期に時間をかけたことで、豆の表面から水分が抜けていったことが要因であると思われます。
また、ケニヤ、タンザニアの豆よりもブラジルの豆の方が1ハゼの温度が高い傾向があります。ケニヤ、タンザニアの豆は高地で栽培されており、火の通りにくい固い豆であるといわれています。一方ブラジルは、低地での栽培がおこなわれており、火が通りやすくて柔らかいという評価がなされています。
固い豆の方が組織に弾力がなくハゼの温度は低い、柔らかい豆の方が組織に弾力があってハゼの温度は高い。そんな推測をすることができますね。
以上の状況から、私は「1ハゼは豆の水分と組織の状態で起こり、風味成分形成との相関は低い」と考えています。つまり1ハゼを焙煎の火力コントロールの目安にするより豆温度または排気温度で、火力変更のタイミングを図った方が良いのでは?と考えています。
ただし、ハゼを火力調整の目安にすることが誤りではありません。ハゼによって組織に穴が開き、熱が一気に内部に入り込むことで焙煎は急激に進行します。したがって、1ハゼが起きたら焙煎の進行を落とすために火力を落とす事は理にかなっています。
結局はどのような思惑で火力を変えていくのか、その辺が重要になってくるのかなと。
コーヒーの焙煎には、正解も不正解もありません。
いかなる焙煎方法であったとしても、それで美味しいコーヒーができたのであれば正解と言えるのです。
また長々と書いてしまいましたね・・・
次は発展領域~煎り止めまでを描いていこうと思います。
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続き:
☆ 全体の流れを各項目ごとに詳細説明4(5.発展領域)
・コーヒーの焙煎 味づくりのポイント(6)
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