「 2015年07月 」一覧

コーヒーの風味検討


風味検討用

風味検討用

コーヒーの味は、常に一定であるのが理想なんですけれど、

実際のところはそうでもありません。

日々の焙煎でのブレはそれほど大きくはない(つもり)ですが、

自分が理想とする味に100%到達しているかと言うと必ずしもそうではないわけで・・・

リリースしている商品は、

「これくらいなら、他の人に勧めても大丈夫」

と言う条件をクリアしているものの、100%と言うわけではありません。

もっと良い風味をのばせると判った段階で、味は徐々に変えていってます。

ただ、常連のお客様もいらっしゃるので、急に変えるわけではなく、次回からこんな風にしますよ、
とサンプルを送って確認してもらってから変えたりしています。
お客様ごとに焙煎を変えているので大きな影響はないですが、やはり自分が一番納得している味を提供したいとは思っているので。

今の自分の状態では、ゆっくりと理想の味を検討する時間もなかなか取れないのですが、

今回思い切って、いままで保留にしてきた課題に取り組んでみました。

それが、画像の4種類のコーヒーです。

左上:ケニヤ / キリニャガ
(酸味の綺麗なコーヒーだが、もっとキャラメル風味を乗せられるか)

左下:グアテマラ / エル・インヘルト・トラディショナル
(マイルドな酸味が美味しいコーヒー、キリニャガとの比較用)

右上:コロンビア / ナリーニョ
(現在販売しているものはフルーティーな酸味を残しているが、酸味を消してコーヒーらしくしたい)

右下:インドネシア / マンデリン
(深煎りコーヒーの販売に向けた検討、苦みを上手く表現したい)

コーヒーの種類とお題です。

コーヒーの焙煎は、豆ごとによってレシピが異なります。
種類ごとに条件を定めて、自分の思惑通りの風味ができたかどうか確認。

昨日焙煎したばかりなので、風味確認は今日行う予定ですが、豆をかじってみた限りでは、
大体は上手くいっているかなと。

ただ、マンデリンは苦み少な目かな・・・
もっと苦いコーヒーにしたいんだけれどな。

酸味の綺麗なコーヒーから、ガッツリと苦いコーヒーまで、ラインナップを増やしていけるよう頑張ります。



手網焙煎


焙煎のレシピを紹介したので、次に家庭でもできる焙煎のお話をしようと思います。
コーヒーは、業務用としては焙煎機を使いますが、家庭でも焙煎は可能です。

一つの方法として、フライパンで煎る方法があります。
フライパン焙煎でも、慣れれば十分に美味しいコーヒーを作ることができます。

別の方法として挙げられるのが、今回紹介する手網焙煎です。

もともとは銀杏や大豆などを煎るための道具を、コーヒーに流用したものです。
現在使っているものは、コーヒー焙煎用に改良されたものですが。

位置づけとしては家庭用な手編み焙煎ですが、きちんとやれば、そこら辺のコーヒーなんか
目じゃないくらい美味しいコーヒーを作ることができます。

かくいう自分も手網焙煎からスタートし、手網焙煎の味を焙煎機で再現することを目指して、現在の焙煎レシピに至っています。
焙煎機はコーヒー豆の状態を非常に細かく把握できるので、それを手網焙煎に反映させることで、よりおいしい手網焙煎が可能になるかなと。

手網焙煎の良い所ですが

・新鮮なコーヒーが手に入る
・自分好みの味を作り出せる
・コストパフォーマンスが良い

欠点は・・・

・チャフが飛び散ってキッチンが汚れる
・焙煎の技術を練習する必要がある
・一度にたくさんは作れない

生豆の薄皮が焙煎時に飛び散りますので、確実にキッチンは汚れます。
掃除をきちんとしないと間違いなく起こられて、焙煎禁止になってしまいますのでご注意(笑)

次回から、より具体的なお話をしていこうかと思います。



コーヒーの焙煎レシピ紹介


coffee beans

自分の焙煎方法について、ある程度の形ができてきました。
ここでは、備忘録も兼ねて、自分の方法を記述しておこうと思います。

僕自身は焙煎の方法を公表することで、
もっとコーヒーのことを皆に知ってもらえたらと思っています。

このレシピは、自分の保有している超小型焙煎機特有の物ですので、他の釜で同様に行っても
同じような風味になるかはわかりません。
もし、同業者の方がこの記事をご覧になられた場合は、その点ご留意ください。

それでは、自分の焙煎方法を紹介いたします。

まず、焙煎にあたって自分が一番気にしているのは、焙煎時間と温度の関係です。
これは煎り上がりの温度と時間もそうですが、各工程を自分の適切と思うラップタイムで通過できたか、を気にしています。

次に火力。
どの段階で火力を上げるか、落とすか、タイミングを逃さないようにしています。

具体的例を以下に挙げます。

※この焙煎機は最大ガス圧3kPa、ガス種はブタンガス、排気はダンパー無しで、ブロアによる強制排気。
排気はブロアを直接コントロールし、0-10段階を、0.1単位でコントロールしています。ニュートラルは6.0です。

例:コロンビア・スプレモ
1.豆投入:豆温度230℃、排気温度210℃前後(排気6.1)。目標中点は110°C
(この焙煎機は空の状態では豆温度より排気温度の方が低いです)
この時ガス圧は1kPaで、温度が平衡状態になるようにしています。

注文いただいたお客様が、もっとナッツフレーバーが好みの場合は、中点はもっと落とすこともあります。

2.豆投入後、中点に達する前に火力を上げます(~1.6kPa)。火力を上げるタイミングの違いで、風味に違いが出てきます。
注文いただいているお客様の好みによってタイミングを変えます。

3.約1分20秒で中点(豆温度約110°C)、火力は1.6kPaのまま。

4.豆の色が緑から白になる豆温度140℃付近で火力を落とす(0.9kPa)。
ここから水分抜き完了までの時間で旨味の出来が変わってくるように思います。
現時点では、豆温度140℃~170℃の間の時間が2分以上になるように火力調整しています。

5.水分抜き完了(豆温度170℃)。ここまでの全行程は約5分30秒~6分。

6.豆の色の様子を見ながら、火力を上げるタイミングを図ります。
豆にこげ茶色の筋が入り始めたら、火力と排気を一気に上げます。
(ガス圧2.1kPa、排気7.1)

火力を上げるタイミングと、ガス圧についてはまだ検討の余地ありで、
もっと火力を上げることでフレーバーが伸びるんじゃないかと思っています。

7.1ハゼが豆温度約200℃で始まります。しかしここで火力は落とさず、排気温度230℃になるまで火力維持します。

8.排気温度230℃で火力を1.1kPa、排気6.6に。
排気温度を230℃に保ちつつ、焦げた味が乗らないような火力にします。
煙がたくさん出るので、本当は排気を落としたくないのですが、自分の焙煎機では排気そのままでは温度維持が難しくなるので、ガス圧と排気は連動させています。

9.豆温度227℃で煎り止め。2ハゼ直前で止めます。
焙煎時間11分50秒前後、酸味をわずかに感じる風味で、色はシティーローストです。

煎り止めの時間は、中点温度と初期の火力調整で変わってくるので一定ではありません。
注文いただいたお客様によって焙煎を変えるので、味も変わってきます。

しかし、見た目の煎り具合はほとんど変わりません。

見た目は同じなのに、味が違う。
ここがコーヒー焙煎の面白いところですね。
まあ、全然味が違うという事はありませんが。
酸味の量の違いが一番はっきりと出てくるかと思います。

自分の中で肝だと思っている部分は、
・初期の火力調整
・水分抜き完了までの時間
・水分抜き後の火力の強さ
でしょうか

まだまだ改善の余地がいろいろとありそうですが、今のところ、このレシピが基準になっています。
豆の種類によって、中点温度を変え、水分抜きの状態を変え、火力を変えて、風味を引き出せるよう努力しています。

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