コーヒー焙煎時の煙を除去する方法 ~煙除去器の作製~


こんにちは!

今回は、「焙煎機からでる煙の除去装置、作ってみた~」なお話になります。

コーヒーを焙煎するにあたって、避けて通れないのが焙煎時に出る煙です。

田舎の、家の間隔が広いところでしたら、ご近所迷惑にならなそうですが、

都市部の住宅密集地ではそうはいきません。

馬鹿にならない、コーヒー焙煎時の煙

高々100g程度のコーヒー豆を焙煎しても、かなりの煙が出ます。

私がかつて、手編み焙煎していたときは、それはもう大変でした。

キッチンの煙探知機は「火事です!火事です!」と鳴り響き、キッチンは煙で充満。 幸い、ご近所は理解ある方ばかりでしたので、苦情はありませんでしたが。

手編み焙煎の100g程度の焙煎でもこの騒ぎですので、焙煎機からの煙はかなり出ます。

これまでは、自宅に焙煎機を設置して換気扇経由で排気していました。自宅は割と田舎なもので、煙程度で文句を言う人なんていないので問題なかったのですが、この度市街地に焙煎所を構えることになり、どうしても煙対策の必要に迫られてしまい、思案に暮れる日々(3日くらい…)

煙除去機の自作を決意

まず最初に、業務用の煙除去機を調べてみました。いわゆる「アフターバーナー」とか、フィルターを通して煙を消す装置など数種類が存在するようです。しかしですねぇ、、、お値段は150万円から・・・

いやー、それならもっと大きな焙煎機買って、山の中に焙煎所を開いたほうが・・・

次に考えたのが、半田付けなどに使うヒューム除去器です。これは小型のものが40万円くらいから。

しかし良く調べてみると、ヒューム除去器は人体に有害な成分を除去するのが目的で、それゆえに高いようです。そのうえ、半田から出る量の煙には対応していますが、コーヒー焙煎のような煙の量はそもそも対応していない可能性が・・・

ということで、自分で作ってしまえ!ということになったんですね(;^_^A

煙除去機の様子はこんな感じです

ということで、焙煎機と煙除去器の全体図がこちら

ん~ 実に分かりづらい。
この絵に、空気の流れを矢印で書いてみました。

流れを書いてみましょう。
左が焙煎機本体

中央の黒い缶がサイクロン

T字ジョイントを下に向かいます

右下のペール缶がフィルター部分です

白いホースを上に向かって

塩ビ管の排気口から、換気扇に排気します。

換気扇の近くにアルミダクトが伸びていてわかりづらいですが、こっちは実は吸気口です。
諸事情あって、換気扇の近くに口を開けています。

この部分がフィルター部です。奥の缶が1次フィルター、手前側が2次フィルターです。
これは市販のペール缶の上と下に開口してホースを繋げたものです。

分かりやすいようにホースを伸ばしてみました。

煙の流れ方を矢印で示すとこんな感じです。

1次フィルタ、2次フィルターを通って煙が除去された空気は排気ポンプを通って、排気口に押し出されます。
ポンプは今回、粉体輸送用のやや特殊なポンプを採用しましたが、今思うと普通のシロッコファンで良かったのでは・・・

1次フィルターの中身はゼオライトを使用

1次フィルターは煙突と直結しており、可能性は非常に低いんですが火の粉が入るかもしれないと考えて、不燃性の素材を使いました。

2次フィルターは活性炭を使用

活性炭は、有機成分吸着用のものが各メーカーから販売されています。

排気モーターは、煙が通ることを考えて特殊なものを購入しましたが、難しく考えすぎて余計な出費をしてしまったかもです。
まあいいや。

で、排気は最終的に換気扇から外に出します。

自分の焙煎機は、最大焙煎量が550g(仕上がり450g)なので、煙突は立てていませんが、換気扇ではなく煙突経由で排気すれば完璧ですね。

で、肝心の効果ですが、現在のところ550gの焙煎で深煎りした場合、煙はほぼ完ぺきに除去。匂いがわずかに

「おや?コーヒーの香りがするね」

と感じるくらいで排気される状態です。
ですので、完璧に匂いも除去したければ、ペール缶をもう一つ接続して、3段のフィルターにすれば完璧でしょう。

今回使用した材料と費用:

・煙突のダクトなど:3000円くらい
・ペール缶:3000円くらい×2個
・排気モーター:55000円くらい
・ゼオライト:20リットル(30リットル3000円くらい)
・活性炭:20リットル(30リットル10000円くらい)
・工具など:10000円くらい

合計:約87000円

おおっ?そんなものか? なんかもっと使っていた気もするのだけれど、そんなものらしいです。
このシステムの良いところは、焙煎機が大型化して、煙の量が増えたら、単純にペール缶を継ぎ足して、活性炭フィルターを直結すれば良いところですね。

非常にローコストです。 

今後調べなければいけないことですが、これで何か月持つのか?です。
ゼオライトと活性炭の交換時期を見極めて、最終的にこのシステムのコストパフォーマンスはどうなのか、評価したいと思います。

いずれにせよ、格安で煙が除去でき、安心して焙煎ができる環境を自作出来てよかったと思っております。
使い勝手に関しては、今後折を見て報告していこうと思います。

それでは!



良いコーヒーについて、改めて考えてみた



本当に良いコーヒーってのはどんなものか?
美味しいコーヒーは人によって様々ですが、一つの基準として自分が考えるのは、「高品質のコーヒー豆」です。
 
高品質=コモディティーではない豆、というのも一つの基準にして良いかなと。

すごーく単純にお店で見分ける方法としては、
国名だけではない、地域名も記した銘柄のコーヒーを見つけることです。
ちょっと気の利いた自家焙煎店では目にします。
スーパーのような一般のお店ではなかなかお目にかかれませんけれど。

自分の中で良い(=美味しい)と思うコーヒーは、、、
・エチオピア /イルガチェフェ(地域銘柄)
・イエメン /地域銘柄
・タンザニア /モンデュール農園
・ケニヤ /地域銘柄
・パナマ/エスメラルダ農園
・グアテマラ/エルインヘルト農園

思いつくのはこの辺り。
「地域銘柄」とあるのは、その国にお気に入りが複数あるものです。
農園名を書いているのは、個人的にその国一番のコーヒーはここの農園、と自分が勝手に思い込んでいるものです^^;

コーヒーは沢山ありますから、これはほんの一部です。
上記のコーヒーを一度飲んでしまうと、安いカフェスタンドのコーヒーはいったい何なのだろうか?そう思えてきます。

ちなみに焙煎度は関係ありません。
浅煎りで酸味を楽しむように作っても、深煎りでビターチョコレート風味を楽しめるように作っても、どちらでも格の違いと言うのを見せつけてくれるコーヒー達です。

お店でコーヒーを選ぶ際、ブランド名で呼ばれるコーヒーは、注意が必要です。
タンザニアのコーヒーは「キリマンジャロ」の名で有名ですが、タンザニアで生産されたコーヒーは(日本では)すべてキリマンジャロと呼ばれます。
 
しかしキリマンジャロ山麓で作られたコーヒーはごく一部でしかありません。品質も玉石混合で、本当に良いものは全体のごく一部です。
モンデュール農園もキリマンジャロ山麓ではなく、西部のアルーシャと呼ばれる地域にあります。
 
しかし、この農園のコーヒーは非常に品質が良く、タンザニアの中では、個人的にこの農園産のコーヒーが一番気に入っています。

同じことがイエメンにも言えます。
イエメンのコーヒーは、「モカ・マタリ」と呼ばれて、高値で販売されていますが、これらはマタり地方のコーヒーではなく、イエメンのどこかで栽培されている、地域無指定のコーヒーです。
 
マタり地方のコーヒーで日本で流通しているのは「アールマッカ」、「バニーマタル」と言う名称のものでしょうか。
もちろん豆の品質も違います。
 
日本では、国別にコーヒーを区別することが多いですが、それではあまりに大雑把すぎて、品質を評価出来なくなってしまいます。
コロンビアコーヒーも、良いものと悪いものでは、品質に雲泥の差があります。
 
そういった理由から、自分自身は国名だけでコーヒーの品名にすることは止めました。
必ず、地域名か農園名を示しての販売を心がけています。
 
国名だけの商品もありますが、そういったものは地域無指定と考えてください。
もちろん、国名だけのでも良い品質の物もあります。
 
例えばケニヤのコーヒーは、地域指定が無くても品質は良いです。
地域指定の方が、それぞれの個性があってより楽しめますが。
 
国名のみの地域無指定のコーヒーの方が、価格的にはお手頃です。
地域指定、農園指定のコーヒーはやはり高くなります。

しかし品質の差を考えた場合、多少高くても地域指定のコーヒーをお勧めしたい。

そちらの方が納得のいく風味を楽しむことが出来るはずです。



大変ご無沙汰しております(;^_^A



2か月以上投稿が空いてしまいました・・・
 
その間に夏も終わってしまいましたが、いろいろと進捗がありまして、

実店舗を構えることになりました!

といっても、お店というよりは「焙煎工房」といったほうが正解です(;^_^A
 
以前から通販でコーヒーを販売していましたが、作業量が増えて、いい加減に専用の作業場が必要になり、ついにテナント物件で良さそうなところを見つけて、焙煎所を引っ越ししました。
 
現在、絶賛立ち上げ中でございます。
 
一番の課題は、煙と臭い。。。
 
以前は、本当に山の中の焙煎小屋だったので、全く気にしてなかったし、苦情を言う人もいなかったのですが、
 
今回越してきたところは、街の真ん中。
田舎とは言え、駅から徒歩二分でしかも路面店。
 
そんなところで焙煎をやろうとしているので、煙対策を取らなければなりません。
 
で、どうしたかというと、簡易型の煙除去器、作っちゃいましたw
 
煙をポンプで吸い込んで、活性炭フィルターを通して除去するというシステムですが・・・
ちょっと今写真を撮っている余裕がないので、次回の投稿で紹介することにします。
 
そんなこんなで、いろいろと実作業に追われて投稿が滞ってしまいましたが、今後はなるべくさぼらずに頑張ろうと思います。
 
お店の方ですが、9月いっぱいは準備に追われております。
10月1日にご披露できるよう準備を進めてまいりたいと思います。
 
或る程度準備できたら(お客さん受け入れの余裕が出てきたら)、場所も公開したいと思います。
ということで、今後ともよろしくお願いします。