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コーヒーの焙煎 味作りのポイント(1)


コーヒーの味を左右するのは、焙煎です。元々のコーヒー生豆に火を通し、その風味のポテンシャルを引き出してあげる、大事な作業です。ですので、味を議論するのには焙煎の方法をお伝えすることが大事だと思っています。そういった理由もあり、私の焙煎方法は今後度々紹介することになるかと。焙煎のどの工程でどんな味になるのか、私がどんな味を作りたいか、ご理解いただければと思います。

くわしく話そうと思うと、結構なボリュームになりますので、何回かのシリーズに分けてお話したいと思います。
今回は、焙煎機についてお話ししようと思います。

焙煎機には大きく分けて3つのタイプがあります。
・直火式
・半熱風式
・完全熱風式

直火式・・・「ちょっかしき」と読みます。一般には「じかび」と読みますが、業界では「ちょっか」の方が一般的です。
ドラムの下にバーナーがあり、焙煎機のドラムにパンチングと呼ばれる穴が開いていて、熱がそこからドラムに入り込みます。
バーナーの設置位置によっては、炎が入り込むような焙煎機もあります。
特徴としては、熱の通りが速いので、焙煎が急速に進行する傾向があります。また、出来上がるコーヒーの風味も輪郭のはっきりしたものになりやすいです。火力を上げ過ぎると、豆が焦げやすいので、焙煎機のクセを熟知している必要があります。

半熱風式・・・焙煎機のドラムに穴が開いていないタイプです。バーナーがドラムの下にあるのは直火式と一緒ですが、穴がないために直接炎が当たることは無く、炎がドラムに当たって伝わる熱と、脇から入ってくる熱風によって焙煎が進行します。
特徴としては、マイルドなコーヒーになる傾向があります。炎からの熱が直接来ない分、酸味の表現がしやすい方式と言えます。

完全熱風式・・・バーナーがドラムの下に無く、バーナーで熱した空気をドラムに送り込むことによって焙煎を行う方法です。
自分はこのタイプの焙煎機を操作したことが無いので、あくまでも伝聞ですが、熱風のみで焼き上げるコーヒーは、短時間でふっくらと膨らみ、香りも豊かなんだとか。

焙煎機に良し悪しはありません。作り手の焙煎士がどんな味に仕上げたいかによって使い分けられるのが理想ですが、いかんせん高価な機械なので、個人経営の自家焙煎店では、1台の焙煎機でやりくりするというのが現状です。
深煎りの、昔ながらの風味を良しとするお店では、直火式焙煎機を選んでいることが多く、新しい風味を追求するところ、酸味のコーヒーを得意とするところは、半熱風式を選んでいるようです。

ちなみに、当店「CAFE LUA CHEIA」の焙煎機は、半熱風式です。

直火式でも酸味のコーヒーはできますし、半熱風式でも深煎りコーヒーはできます。深煎りなら直火、酸味なら半熱風というのはあくまでも傾向ですが、焙煎機によって味はかなり違ってきますので、どんな焙煎機を使ってコーヒーを焼いているのかは重要です。

世の中に沢山のコーヒーショップがあるのに、まだお店が増えていくのは、コーヒーの味がそれだけつくり手によって変化するものだという事なんですね。

次回以降、具体的な焙煎方法と味の変化について、自分のレシピを基にしてお話していきたいと思います。

続き:
☆自分の焙煎の考え方、焙煎の概要
・コーヒーの焙煎 味づくりのポイント(2)