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ブラジルコーヒー焙煎方法を見直す


coffee roasting

ブラジルコーヒーは、もっとも流通していてかつ安価に入手可能なコーヒーですが、意外な奥深さを持っています。

私自身は、過去に何回も経験しているのですが、ブラジルコーヒーは焙煎のレシピ次第で全く異なった風味のコーヒーに変わるのです。
 
現在の私の焙煎方法は(販売していないけれど)アイスコーヒー用の深煎り焙煎が主流ですので、深煎りにする目的で、苦味を強調し(こういっては何ですが泥臭いような)ブラジルコーヒー独特の風味を強調するように焙煎しています。
 
しかし、ネットで販売する用のコーヒーは深煎りではありませんので、いわゆる「ブラジル臭さ」はあんまり要らないなと言う判断で、異なる焙煎方法で臭みを消しています。
 
今での方法は、焙煎初期の時間を長くして、成分を揮発させるというものでした。
 
しかし、なんか風味に今一つインパクトが無い・・・(販売していて言うのも何なのですが(^^ゞ)
 
そこで、極端に早い焙煎方法に変更することを検討。
 
品質の良いコーヒー豆だったら、焙煎初期の火力を上げて短時間焙煎しても耐えられる(むしろ個性が強調される)ことは、以前にも書いてきました。
 
実は、ブラジルコーヒーを極端に短く焙煎することで、クリーンな風味になるという事実は、手網焙煎によって焙煎を研究している仲間が発見した事だったりします。
 
これは、機械焙煎だけやっていたら決してわからない事でしょうね。
時々びっくりするような美味しいコーヒーを作ることが出来ます。
手網焙煎、侮れませんよ。
 
 
今回、自分の焙煎機でも同じように焙煎初期に強い火力をかけて、トータルの焙煎時間を11分で。
 
見事にブラジル臭さは消え、ググッと旨みが凝縮した味になりました。
 
あとは、このブラジル臭(笑)を少し生かせるように、焙煎時間を微調整。
 
満足のいく風味になりました。

 
さっきから「ブラジルコーヒー」と一括りにしていますが、ブラジルにはものすごく沢山のコーヒー農園があり、それぞれの農園独特の風味があることは言うまでもありません。
 
巷で普通に味わえるコーヒーの風味は、本当に氷山の一角。
 
余りにたくさんの農園がありすぎて、自分自身どうしようか方針を決めあぐねていたのですけれど、深煎りではないフルーティーなブラジルコーヒーも沢山紹介できるようになったら良いな、、、なんて思っています。
 
乞うご期待(^^ゞ
 



マンデリン考


コーヒー

自分のショップで扱っているコーヒーの種類は、決して多くありません。
と言うか少ない。。。

と言うのも、一つの産地の、複数の豆を比べて、一番良いものを(あるいは複数の良いものを)選び、さらに、選んだ豆を繰り返し焙煎して、どのような焙煎方法が美味しいかを確認した後に、初めて商品化しているからです。

なので、今はまだ美味しいコーヒーはどれなのかを順に選定している段階。
今後徐々にラインナップは増えていくと思いますので、乞うご期待^^;

○私がマンデリンを積極的に扱う理由・・・・

その少ないラインナップの中でも、マンデリンは3種類を販売しております。
(売り切れ御免な場合が多くて申し訳ないのですが・・・)

現在扱っているマンデリンはこちら↓
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CAFE LUA CHEIA マンデリン トバコ スペシャルティー コーヒー豆 200g 深煎 自家焙煎 (豆のまま)
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何故にマンデリンに偏っているのかと言うと、理由は大きく二つあります。

理由の一つ目:
独特の風味は他のどのコーヒーにも無く、誰が飲んでも「わかりやすく」そして「美味しい」コーヒーである。

理由の二つ目:
世の中には美味しくないマンデリンが出回りすぎている。

○本当に良いマンデリンは「生産地区名」、「部族名」がブランド名として付与される

美味しいマンデリンを体験したければ、必ず知っておいてほしい事があります。
それは、
「生産地区」、「コーヒーの品種」です。
このどちらもが、美味しいマンデリンを見分けるために必要な知識となります。

マンデリンとは:インドネシア/スマトラ島北部で生産されるアラビカ種のコーヒーを総称し「マンデリン」と呼びます。
同じコーヒーがヨーロッパでは「Sumatra(スマトラ)」と言う名称で扱われていたりもします。

マンデリンの呼び名は、スマトラ島に住む「マンデリン族」が名前の由来となっています。
スマトラ島にはマンデリン族以外にも部族は存在しておりますが、
それぞれの部族によって生産されるコーヒーもまた「マンデリン」というブランドを冠して扱われます。

一般に生産されるマンデリンは、欠点豆の数によって格付けされ、G1~G3が当てはめられます。
G1という等級は、「欠点豆が少ない」という意味で、コーヒー豆自体の風味がどうかということは、この格付けでは関係ありません。

ですので、もっと品質の高いスペシャルティーコーヒーのクラスになると、一般クラスの格付けで表現されることはありません。
だって、スペシャルティーコーヒーに欠点豆が少ないのは当然で、格付けがG1でなければ、スペシャルティーコーヒーと名乗れませんから。

スペシャルティーコーヒークラスのマンデリンは、主に生産地域あるいは生産部族の名前を冠したブランドで扱われることが多いです。

「リントン」はマンデリン北部のコーヒー生産地の名称、「トバコ」はリントン地区にある湖の名称です。
またその地域の部族「アチェ族」、マンデリン族も含まれる「バタック人」がコーヒーの名称として使われることもしばしば。
その中の農園がブランド名になることもありますが、ここまで来ると一般にはほとんど知られていないレベルの高品質コーヒーになってきます。

当店では、
・ブルーバタック(スマトラ北部のバタック人が生産しています)
・アチェ・アルールバダ(アチェ族の暮らす自治区、アルールバダが産地です
・トバコ(高品質なマンデリンの産地、リントンニフタ村にある湖「トバ」、およびその近くの丘陵地帯の名です)
の3品種を扱っていく予定でいます。

○美味しいマンデリンを見極めるためには品種にも注意!

もう一つの大事な要素「品種」ですが、コーヒーは産地が同じでも生産するコーヒー豆の品種は同じではありません。
マンデリンに関して言えば、安い方(G1~G3およびそれ以下)はおもに「カティモール」と言う品種が使われています。

コーヒーは大きく分類すると、「アラビカ種」と「カネフォラ種」に分類され、それぞれの下に細かい種が存在しています。
コーヒーとしての風味に優れているのは、圧倒的にアラビカ種なのですが、病害虫に弱くて育てるのが難しいのが難点。

一方のカネフォラ種は、病害虫に強くて容易に育ち、生産性が高い。
しかし風味はアラビカ種には全く及びません。

アラビカ種の風味を何とか維持しつつ、病害虫に強く、生産性の高い品種が出来ないものか?そういった要望に応えて品種改良がおこなわれ、出来上がった品種に「カティモール」と言う品種があります。

カティモールは、カネフォラ種ロブスタとアラビカ種の掛け合わせである「ティモール種」に、アラビカ種である「カトゥーラ種」を掛け合わせて作られた品種です。

カネフォラ種ロブスタの特徴である、病害虫に対する強さ、栽培地を選ばない適応力、そしてアラビカ種を掛け合わせることで、ロブスタの欠点である風味に改善を施した種が「カティモール種」なんです。

カティモールは、分類上はアラビカ種ですが、風味は他のアラビカコーヒーに劣ります。
しかし病害虫に強いので、マンデリンを量産するために大量に栽培されています。

このようにして、マンデリンと呼べるけれどもイマイチ美味しくない、インチキではないけれど・・・そんなマンデリンが大量に日本に入ってきています。

では、生産地区を呼称する高品質なマンデリンの品種は何か?、というと・・・

まず挙げられるのが「ティピカ種」。
この品種は、エチオピア発祥のコーヒーの原種に近く、風味が良いことで知られています。しかし病害虫に弱くて栽培地域を選ぶため、世界的にも生産量が少なくなっています。

他には、「アテン種」、「ティムティム種」というスマトラ島北部地域で栽培種として育てられ続けている品種があげられます。他にも、まだ品種が特定されていない種もあるようです。
品種が特定されていない場合は、「在来種」、「伝統種」と記されている場合もあります。

コーヒーショップで「マンデリンG1」だけを謳い文句に、高品質をうたっているとしたら注意が必要です。必ず「生産地区名」、そして「品種名」を確認しましょう。

生産地区がはっきりせず、栽培品種がカティモールだったら、残念ながらそのマンデリンの購入は見送った方がよさそうです。

コーヒーは、ブランド名が先行して、良いコーヒーをそうでないコーヒーが雑多に交じり合う混迷期に差し掛かっているようです。

そんな時代の中でも、私自身は絶対的に美味しいと自分が納得できるコーヒーを扱っていきたいと考えています。

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CAFE LUA CHEIA マンデリン トバコ スペシャルティー コーヒー豆 200g 深煎 自家焙煎 (豆のまま)
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幻の風味_甘い風味のコーヒー


コーヒーの風味は、あなたはどう感じるでしょうか?

苦い? 苦いコーヒーが好きな方、意外と多いですね。

でも、今日のお話は「甘いコーヒー」です。

甘いと言っても、砂糖を入れて甘くするという事ではありません。

ブラックコーヒーなのに、甘い。。。

数年前にコーヒーセミナーで試飲したコーヒなのですが、まず香りを嗅いでみて驚いた、
「うわっ、甘っ」

そして一口、、、何というか、紅茶の様な(でも違う)、独特の風味と甘み。

その当時はまだ自分で焙煎をやっていなかったので、焙煎レシピを聞こうなんて発想も無かったのですが、今思うと聞いても良く判らなかったかもしれません。

しかし、今はすごく知りたい。どうやったら甘く焙煎できるのか?

コーヒー豆の種類は、「エチオピア産/イルガチェフェ・ナチュラル」

焙煎の仕方は、おそらくミディアムローストで、ハゼた後に火力を大きく落として、かなり低温で酸味が消えるところを探せばよいのだろうか?

とまあ、こんな感じで試行錯誤しています。
イルガチェフェを、爽やかな酸味の珈琲に仕上げることは可能で、そのレシピは問題なし。

しかし、今作り上げたい味は、「甘いコーヒー」

ちなみに今朝、朝一で試したレシピは失敗でした。
酸味は消えましたが、嫌な苦みが前面に出てしまって、イマイチな感じ。
その背後に、わずかな甘みはあるのですが・・・

仕事に行く時間になってしまったので、後ろ髪をひかれる思いで自宅を後にし、その悔しさを、電車の中でブログにしたためています(笑)

必ず実現させたい、甘いコーヒー